ダサい?!
数ヵ月前…
「この車、カッコいいでしょ?!」
居候君が携帯の写メを見せて、欲しい車をアピールしてきました
ずいぶん昔に私が乗っていた車が、違法改造されて写っていました
整備手帳がなかったので、私は反対しました
古すぎるので、周囲も反対したようです
頑固を張った居候君は、みんなの反対を押しきって、何人かのオーナーを経由した中古車を、かなりのお値段で買いました
案の定、エンジン回りのあちこちに、手を入れないと乗れない車でした
改造箇所を直す条件で、修理代金を貸す約束をしました
整備不良箇所が直ってもいないのに、先日はグリルを外したいと言い出しました
「何のために?」
「あると、ダサい」
「はぁ?これ見て、カッコいいから欲しいって言わなかった?」
「そうですけど…」
「グリルを外して、じんべえざめみたいにして、カッコいいわけないでしょ!」
「それより、走行中に鳥が頭を突っ込んでくるよ」
娘が言います
「これを欲しがったんでしょ!」
鳥なんて、私にはどうでもいいんです
「車検の時には、付けます」
居候君が、くぐもった声で言います
「車には、外していい不要なパーツはありません!」
居候君が、うつむき加減で言いました
「人が乗ってない車に、乗りたいんです」
この言葉が、逆鱗に触れました
「エンジンオイルを、ポタポタ垂れ流したりガソリンと一緒に燃やしながら走る車は、それだけで充分に他の人とは違うでしょ!」
無言の居候君に、追い討ちをかけました
「あなたはまだ整備不良の車に乗り続けているから、元に戻す約束を守らないなら、車の整備料を貸す約束をしていましたけど、なかったことにしましょうか!」
半べその居候君に、諭すような口調で娘が言いました
「自分の車をいじりたいなら、人からお金を借りていじるのは間違いやけぇね、自分の稼ぎでやりぃよ」
「この車を『ダサい』って言ったら、許さないから!」
怒り心頭の私でした