報・連・相(ほう・れん・そう)
家人の留守に、お雛様の入っている箱を、押し入れから出そうとした時です
「うぅわ!やられた…」
一瞬、固まりました
雛人形のガラスケースの入った段ボールは、段ボール箱を上下に組み合わせてケースを収納するようになっています
箱には、上の段ボールを持っても底が落ちないように、ビニール紐がかけられているはずでした
でも、ビニール紐がありません
家人が雛人形を箱に入れる時に、「上の段ボールを持ってもフタだけが持ち上がらないように、付いている紐をかけてください」と、言わなかったからでしょう
握力のほとんどない私が、20cmほど見えている底の段ボールを抱えて持って、落とさないように押し入れから出しました
何とか出せたので、段ボールのフタを取りました
まず目に入ったのは、ビニール紐とガラスケースを養生する薄紙の束です
ガラスケースの上に、乗っています
段ボールに入れる時に「ガラスケースの縁が傷まないように、薄紙の束を段ボールとケースの隙間に差し込んでください」と言わなかったからでしょう
ため息と一緒に、薄紙の束とビニール紐を取り出しました
薄紙の束の下から現れた物を見て、愕然としました
ガラスケースの上に、防虫剤が乗っていました
オレンジ色の、半透明な袋に入っています
もちろん、未開封です
昨年の春、「防虫剤を入れてくださいね」と言って、防虫剤の箱を手渡しました
中から1袋取り出して、ケースに乗せたのでしょう
防虫剤が未開封でも使えると考えているとは、思いもしませんでした
だから、「防虫剤を個包装のビニール袋から取り出して、ガラスケースの中に入れてください」とは言いませんでした
四半世紀以上、3組のお雛様の出し入れを繰り返してきました
数年前に、1組が持ち主の家に行きました
残りの2組のうち、ややこしい方を私が仕舞いました
ケースを箱に仕舞って押し入れに入れるだけの、簡単な方を任せたのですが…
確認しなかった、私の落ち度でしょうね
「『報告・連絡・相談』ほうれんそうは、大事だぞ」
居候君が自分で判断して、私の迷惑を考えずに行動するので、数日前に家人が話していました
私は、片付けた『報告』は受けました
仕舞い方を『相談』されていたら…
未開封の防虫剤、使えるかなぁ…