飛ばし屋君と…
60代前半  山口県
2017/03/27 13:52
飛ばし屋君と…
「助手席に乗りませんか?」
車を買い換えた、飛ばし屋男子が誘ってくれます

2度お断りしたのですが、あんまり断ってもギクシャクするので、乗せてもらうことにしました

居合わせた2人を誘って、4人で長府ドンキまでのドライブ

ラーメン屋さんで満腹になってからの、ドンキです

「なんか、品数が少ないね」

同乗する男子の1人も私も、買いたかった物が見当たりません

「宇部ドン行こ!」
私が言います

「間に合いますかね?」
ドライバーが聞きます

「絶対、合う!」


191号線の片側2車線の信号待ち

前を少し広めに空けて停めると、隣の車線の同じ位置に高級車が着けます

「いつも、こう?」

「はい、この車にしてから…」

売られた喧嘩を買うように、信号が青になった瞬間に踏み込みます

1秒で時速60km

「うぅわぁぁぁあ!」
後部座席から、変な叫び声がします

前のめりで話していた男子の背中が、シートにくっついたようです

エンジンは、唸りもしません

「スムーズねぇ」

「はい!いいでしょ?!」
嬉しそうに答えます

「オレ、このまま死ぬかと思った…」
後部座席の男子が、呟いています

「女子の悲鳴みたいだったわよ」

「Gがかかって、首が折れるかと思った」

大袈裟な表現に、みんなが笑います


閉店前に着いて、お買い物ができました

帰りも同様に、速いと思われる車に並ばれます

それを秒で振り切って、まだ余裕のある車でした

「また乗せてね」

「はい!」

お礼は、ドンキで買った彼の好きなチョコレート


帰宅は、2時前でした

信号を読む、丁寧な運転の飛ばし屋君でした


また行く約束をしました
コメントする

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…