鬼じゃない
60代前半  山口県
2017/04/04 12:14
鬼じゃない
昨晩、居候君がヘラヘラしながら言いました 
「お米、取り込みましたよ!」
 
お米の袋が畳んで捨ててあるのを見て、お米を取り込むことを、やっと思い出したようです

30kgのお米が段ボールに入って、ご家族から送られてきていました

「今ごろになって、ですか…」

差し掛けに、5日ほど放置してありました

私には重すぎて取り込めないし、居候君のお米なのでどうしようと彼の自由だし…

朝晩の犬の散歩の時に、どうしても目に入ります

段ボールを見ると、送ってくださったご家族に申しわけなくてイライラしました


「今朝は、どうして私の玄米ご飯を食べたんですか?」

「え?冷蔵庫を開けたら、玄米ご飯があったから、これを食べろってことだと思いました…」

「はぁ?4月からは自分で自分のことをするって言ってありましたよね?」

「え?」

「あれは、私の明日のご飯だったんですけど?」

「え?!」

「あなたのは、31日に残りのお米を全部炊いて、冷蔵庫に入れましたよ」

「あ~!そういうことだったんですね!」

「だから、お弁当ご飯を炊きませんでしたよ」

「あ~!忘れたと思ってました!」

「失礼ね!日曜にアイロン掛けを教えましたよね?」

「あ~!それで!」

「ごみ袋やティッシュペーパーは、私のを使いたい放題に取っていかずに、自分で買ってくださいって言いましたよね?」

「あ~!」

「全部、忘れたんですか?」

「スミマセン…」

「ずっと私が出してきたから、このゴミは出勤前にあなたが出してください」

「わかりました!」


数分後
「あの~、おばちゃん?」

「なんですか?」

「おばちゃんの作るお茶、飲んでもいいですか?」

「え?!」

「生姜が効いてて、おいしいんです」

ため息が出そうになりました

「どうぞ…。それも自分がおヤカンで作りなさいって言いたいけど、鬼みたいに思われてもイヤだから…」

「ありがとうございます!」

若すぎて、イヤミの通じない居候君

彼の最強メンタルに、私が打ち負かされる日々です


私の晩ご飯は、冷蔵庫の少な目のご飯を遣り繰りしたので、なんだか満腹感がありません

冷蔵庫を探し回って冷凍の今川焼を見つけて、居候君のと2つ分をレンチンしました


鬼になりたい時も、あります…
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