爆音の感動
大分に遊びに行った男子が、うちに遊びに来てドアを開けて、入らずに中を見回しました
「どうしたの?」
「おばちゃん、お土産を持って来たから待ってて!」
車に戻って行きました
長崎カステラを手渡されました
「あらまぁ!ありがとう」
この前、津和野に車のお祓いに行ったと言って、お土産に源氏巻きを持ってきてくれました
その時に、居合わせた数人が「いいなぁ!源氏巻き、おいしいよね~」と、羨ましがったのです
「おばちゃんにと思ったのに、おばちゃんがみんなに配って、全部食べられちゃったから…」
それで、誰もいないことを確認したのね
「気遣ってくれて、ありがとう」
『底ザラメ』と、箱に書いてありました
「やった!ザラメ!超絶嬉しい!」
半分は冷凍して、残りを少しずつ食べることにしました
「あれ?長崎??昨日、大分にサーキットを見に行くって言わなかった?」
「行きましたよ~!」
しばらくサーキット話で盛り上がりました
何人かのドライバーと、仲良くなったと言っていました
高校生の時、厚保のサーキット場に通いました
叔父が写真を撮っていたので、その兼ね合いでピットに入れました
猛スピードで駆け抜けるドライバー達の運転は、一般道では別人のように穏やかで紳士的でした
レースを見ながら、勝敗はドライバーの腕にかかっていることはわかっているのですが、なぜだか「車は個性を持った生き物だ」と思いました
耳を塞ぎたくなる爆音の車に、心が溶けそうな感動をもらっていたころを、懐かしく思い出しました