虹の橋を渡る
60代前半  山口県
2017/04/13 12:22
虹の橋を渡る
今日に日付が変わってすぐ、うちに遊びに来る男子から「犬が死にました」と、LINEがきました

先々週の終わりくらいから、体調が悪くなったワンコでした

「水を飲んでは吐くんよね…」
うなだれて、呟きます

「かわいそうに…。何もできなくて、ツラいわねぇ」

どうしてあげようもないことですが、それが歯がゆい気がしました


ワンコは、その男子のお兄ちゃん気取りでした

彼の言うことは聞かず、彼に散歩とエサをねだり、寝る時は彼の顔の横で、彼にお尻を向けて眠ったワンコでした

「あれだけ世話してるのに、何で毎日ケツの穴を見せられるんけぇや」と、ぼやいていました

それでも嬉しそうに、うちにワンコを連れてきていました

うちのテーブルの脚にリードをくくられて、うちのワンコに近づけないので暴れて、テーブルをひっくり返したこともありました


我が家のワンコより、1歳年上です

少し前からお漏らしが始まって、世話をするのを疎ましがる家族が、誰が掃除するかでケンカになると言っていました

「オレがするけぇ!」
彼の担当になりました

ひと月ほど前には、「ボケて、食べても食べてもエサをねだって、吠え続ける」と、言っていました

彼が、深夜の散歩とお漏らしの世話と、エサやりをしました


昨日の未明に看取って、朝には焼き場に連れていったそうです

「お仕事はお休みをもらったの?」

「仕事に行きました」

「偉かったね」

「ありがとうございます」

連絡してくるのに時間がかかったのは、言葉にならない悲しみで、心が塞がれていたからでしょう


お隣のご主人が飼っていたワンコが、1か月ほど前に19歳で亡くなりました

最期は吠えて飼い主を呼んで、抱かれて亡くなったそうです

ワンコがいなくなって、数週間してご主人に言われました

「また、犬を飼おうと思ってんねん」


立て続けのワンコの訃報

死ぬ直前まで元気を装って、あっという間に虹の橋を渡ってしまうのは、野生の本能だと理解していても、飼い主を思ってのことと、都合よく解釈したくなります


起きて階段を降りると、ワンコがいつものように「おはよう」とご挨拶にきたので、思いっきりヨシヨシしました

迷惑そうにスルリと避けて、自分の居場所に戻って行きました
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