虹の橋を渡る
今日に日付が変わってすぐ、うちに遊びに来る男子から「犬が死にました」と、LINEがきました
先々週の終わりくらいから、体調が悪くなったワンコでした
「水を飲んでは吐くんよね…」
うなだれて、呟きます
「かわいそうに…。何もできなくて、ツラいわねぇ」
どうしてあげようもないことですが、それが歯がゆい気がしました
ワンコは、その男子のお兄ちゃん気取りでした
彼の言うことは聞かず、彼に散歩とエサをねだり、寝る時は彼の顔の横で、彼にお尻を向けて眠ったワンコでした
「あれだけ世話してるのに、何で毎日ケツの穴を見せられるんけぇや」と、ぼやいていました
それでも嬉しそうに、うちにワンコを連れてきていました
うちのテーブルの脚にリードをくくられて、うちのワンコに近づけないので暴れて、テーブルをひっくり返したこともありました
我が家のワンコより、1歳年上です
少し前からお漏らしが始まって、世話をするのを疎ましがる家族が、誰が掃除するかでケンカになると言っていました
「オレがするけぇ!」
彼の担当になりました
ひと月ほど前には、「ボケて、食べても食べてもエサをねだって、吠え続ける」と、言っていました
彼が、深夜の散歩とお漏らしの世話と、エサやりをしました
昨日の未明に看取って、朝には焼き場に連れていったそうです
「お仕事はお休みをもらったの?」
「仕事に行きました」
「偉かったね」
「ありがとうございます」
連絡してくるのに時間がかかったのは、言葉にならない悲しみで、心が塞がれていたからでしょう
お隣のご主人が飼っていたワンコが、1か月ほど前に19歳で亡くなりました
最期は吠えて飼い主を呼んで、抱かれて亡くなったそうです
ワンコがいなくなって、数週間してご主人に言われました
「また、犬を飼おうと思ってんねん」
立て続けのワンコの訃報
死ぬ直前まで元気を装って、あっという間に虹の橋を渡ってしまうのは、野生の本能だと理解していても、飼い主を思ってのことと、都合よく解釈したくなります
起きて階段を降りると、ワンコがいつものように「おはよう」とご挨拶にきたので、思いっきりヨシヨシしました
迷惑そうにスルリと避けて、自分の居場所に戻って行きました