魔法の言葉
60代前半  山口県
2017/05/07 12:27
魔法の言葉
他県出身の母親が亡くなって、その祖父母宅に行きにくくなった、ひと暮らしの男子がいます
 
父方の親戚は地元ですが、普段から行き来があります

GWだからと取り立てて出掛ける先もなく、近場で遊んでくすぶっているので、一昨日と昨日、彼に晩ご飯を作りました

数人だけがお呼ばれする優越感と、他所でお食事をするほんの少しの緊張感は、生活に大切なめりはりだと思っています


一昨日は、エビグラタンとエビチリを作りました

昨日の晩ご飯に作ったのは、子ども達が大好きなハッシュドビーフです
 
デミグラスソースで仕上げたのがハッシュドビーフで、トマトソースで仕上げたのがハヤシライス

似ているけど、違います

ハッシュドビーフはシチューと同じように食べますが、ハヤシライスはカレーのようにご飯にかけて食べるそうです

でも、子ども達はハッシュドビーフを、ご飯に掛けて食べるのが好きです

美味しかったら、どんな食べ方でもいいと思っています


我が家の食べ方は、他のお宅とは少し違うと思います

まず、大皿のご飯の上に、スライスチーズを1枚乗せます

その上に、ハッシュドビーフをかけます

さらにその上に、ポテトチップスを手で柔らかく握って、大きめに砕いて振り掛けます

熱々のご飯の熱気と、熱々のハッシュドビーフに挟まれたスライスチーズが溶けます

スプーンですくってもわかりにくいのですが、口に入れるとチーズのコクが美味しさを引き立てます

上に乗ったポテトチップスは少し柔らかくなりますが、口の中で変わった歯ごたえになるので、よく噛むことになります

子ども達は、この食べ方が大好きです


「言われた通りに作っても塩辛いのに、おばちゃんのは、まろやかなんよね~」

いつもの早食い男子が、味を探りながらゆっくり食べます

「お鍋を混ぜながら、もうひと手間、魔法の言葉が足りないんじゃない?」

「え?どんな?」

「おいしくなぁれ~」
大鍋をかき混ぜる仕草は、魔女鍋のようです

「あ~、確かに…」
笑いながら、納得してくれました

不思議ですが、柔らかい気持ちで作るのと、イライラした気持ちで作るのとは、同じ分量で作ってもできあがりが違います


おいしいものを食べたら、心が元気になるよね
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