育てたい
毎年の母の日が、憂鬱です
近年の子どものブームのプレゼントは、カーネーションの鉢植えです
「おかあさぁ~ん、はい!」
子どもが毎年、カーネーションをテーブルに置きます
『枯らす名人』の私には、荷の重いプレゼントです
「あ~!また鉢植え!」
私が叫びます
「いい色やろ?」
「そういうことじゃない!」
「ちょうどいいサイズやろ?」
「そういうのでもない!」
「2つもあるんよ?」
「そんなに要らない!」
「何が不満なん?」
「いえ…。ありがとうございます」
「はい!どういたしまして~♪」
「今度から、切り花がいいなぁ…」
「そこをあえて鉢植えでいくから、面白いんじゃん?」
憎ったらしい天の邪鬼が、『満面の笑みとは、この顔?』ってくらい、にこにこしています
毎年の掛け合いを、お婿さんが笑いながら見ています
水やりも気にかけて見るのに…
きれいに咲かせてくれたお花屋さんには申しわけないけど、どんなに気にかけても何をしても、お花が終わると枯れていきます
昨日の午後、農家に嫁いだお友達が、茹でたタケノコとスジを取ったフキを持ってきてくれました
母の日の話から、子どもがカーネーションをくれる話をしました
彼女も『枯らす名人』です
「わかるぅ」
笑っています
どんな苗を植えても、彼女の植えた所は芽が出なかったり枯れてしまったりするので、翌年から声がかからなくなったと言います
「そっか…。植えるのも、ダメよね~」
「そうそう!同じようにしてるのに、 ダメなの。でも、苦手なことをしなくて済んでラッキーよ」
アテモヤの話をしたら、「1個でも芽が出たのは奇跡」と言われました
「そっか、奇跡が起きたのね」
妙に納得しました
そして、気持ちが少し軽くなりました
今年は、カーネーションを枯らさずに育てられるかも…