ないの
60代前半  山口県
2017/05/23 12:29
ないの
「見てみて!餅まきがあったんです!」
 
嬉しそうに広げた居候君の両手の中に、紅白餅の入った袋が4つあります

「うち、お餅大好き~!」
居合わせた、居候君の同級生女子がねだります

「いいよ」
2つ、女子の手に乗せます

「ありがとう!」
鞄に仕舞い込んでいます

「お丼にお餅を入れて熱湯をヒタヒタに注いで、軽くレンチンすると、簡単に柔らかくなるわよ」
と、食べ方を教えました

「へぇ~」
居候君の、気の抜けた声
信じてない?
ちょっと、不愉快


私が晩ご飯を食べようとお台所に行くと、お餅は見当たりません

2個しか残ってなかった、居候君の拾ったお餅ですが…

「おばちゃん、1個食べる?」と、聞かれたかったのですが…

そしたら、「気持ちだけ頂くから、お餅はあなたが食べなさい」って言うのですが…

何の気遣いもなく、食べていました


ねだることは抜け目ない居候君ですが、「どうぞ」と言う気遣いを、私にしたことはありません


この話を、遊びにくる子ども達にしました

「なんで?おばちゃんに世話になっとるし、いろいろ貰っとるのに?」

「そういう輩ってことよね」

「甘え過ぎやろ」

居候君の同級生男子達が、腹立たしそうです

「『輩』は、ないでしょ?」
と言いながら、この子達のお世話をして良かったと、つくづく思いました

常識より良識とか、周り目線でのカッコいい生き方とか、私のお説教が効いているようです


うちに転がり込んできて半年ですが、がっかりさせることの上手い居候君です

居候君がこの子達のようになるには、どうもっていけばのか…
私の努力と忍耐力を、試されている気がします

『努力』と『忍耐』
私の、一番苦手な分野です
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