蛍街道
60代前半  山口県
2017/05/26 12:22
蛍街道
昨晩は、蛍を求めてドライブをしました
 
関水 
ここには必ずいます
 
他にも、蛍見物の人が1人

邪魔にならないように、スモールライトですり抜けます

呼吸をするように点滅する光

息が長い、ゆ~っくり点滅する蛍が木に止まっています
「点滅の間隔が長いのは、雌って聞きました」
連れが言います

蛍光ペンの緑に、黄色とほんの少し青を足したような色が、点滅を繰り返します

河原を見つめていると、目の前をふわりと横切っていきます

闇に対抗するでもなく、闇に負けるでもない
強くて柔らかい光です

年々、数が減っている気がしますが…


このまま帰るのも寂しいので、仁保を回ってみようということになりました

「去年は、この辺りにたくさん飛んでいて、この木がクリスマスツリーのようだったんですけど…」

案内された所に、蛍はいません
「お引っ越ししちゃったね」

「そうですね…」

喜ばせようとしたのに、反対にがっかりな結末になってしまって、連れが凹んでいます


「どうします?どこか、寄りますか?」

そう言われても、すぐには思い付きません

(でも、このまま帰っては楽しくないから、どこかに寄らなくちゃいけないよね…)

適当に車を走らせてもらいながら、いろいろな景色を必死で思い出します

小川があって、照明器具がなくて、適当に停めても他車の迷惑にならない所

あ!
思い出しました
「行ったことはないけど、あそこなら飛ぶかも…」

「なるほどですね!そこなら、わかります!」
アクセルを踏み込んで、シュンッと車が山道を抜けます

途中、民家にふわふわと、1匹の蛍が入っていくのを見ました

他の蛍の気配がありません

「『死んだ人の魂が、蛍になって帰ってくる』って聞いたことがあるけど、こんな感じなんでしょうね」
連れが呟きました

「魂を色に例えると、『蛍の光の色』かもしれないね」

戦時中に知覧から飛び立った、零戦のパイロットの話をしました

「季節外れの蛍になって、おばちゃんの所に帰ってきたって」

「だから、ですかね~」


10分ほどで着いた小さな川沿いの土手は、たくさんの蛍が舞っていました

「わぁ…」
言葉になりません

季節外れのクリスマスツリーと、イルミネーション

川沿いの草木がシンプルな光をまとって、賑やかに点滅を繰り返します

早寝のはずの蛍ですが、22時を過ぎても舞ってくれました

「来て良かったね」

「はい!山奥まで行ったけど、結局はこんなに近くにいたんですね」
連れが笑います

「『幸せ』も、こんなものかもしれないね。すぐ近くにあるけど気付かなくて、遠くばかりを見てるのかも…」

「そうかもですね」
連れが、しみじみしています

小川沿いの長い距離を、蛍に見守られるように移動しました

「ほんとに、良い景色ねぇ…」

「明日は、家族を連れてきます!親父とお袋が喜ぶだろうなぁ」

「絶対、感動するね」

蛍街道を折り返して元の道に出て、自宅まで送ってもらいました


思い出に残る、蛍街道ドライブでした
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コメント

60代前半  山口県

2017/05/26 18:18

2.  >>1 終わりよければすべてYOSHIKIさん
こんにちは

ありがとうございます(*´ー`*)

昼間の気忙しさとは反対の、穏やかな夜のひとときでした
そちらでも、蛍は舞いますか?

『連れ』にも、ご配慮いただいて…
そちらにも、感謝します

70代以上  宮城県

2017/05/26 16:03

1. ゆめさんの所だけ時間がゆったり流れているような..
素敵な時間が切り取られた日記ですね(^o^)

『連れ』とは誰なのか、ゲスの勘ぐりは全部の日記を読んでからにしましょう。

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