「部屋の扇風機が壊れた」と、夫が言います
　
リモコンの電源ボタンを押しますが、反応しません
　
「ん？」
携帯のカメラでリモコンの電球を見ると、電源と風量ボタンが光りません

首振りＯＫ、タイマーＯＫ、モードＯＫ
他の機能がいけても、電源が光らないなんて…

「あ～ぁ、リモコン壊してる」


本体の電源ボタンを押すと、扇風機の羽根が回り始めました

風量は、微弱

風量のスイッチを時計回りに回しても、微弱のままで風量を上げようとしません

反対回りに動かしても、風量は変わりません

「ん～？」
さぁ、どうしましょう…

あ…
思い出した…！


ずいぶん前、子どもがテレビゲームに使っていた、肩幅より大きなブラウン管テレビがありました

画面の上下に黒い帯が出てきて、その幅が日毎に大きくなって、ゲームができなくなりました

「ゲーム用のテレビが壊れたみたい」と夫に話しました

「ん、わかった」

スタスタと行って、テレビの上をバンバンッと叩きました

ツンッ
画面が真っ黒になって、音声しか出なくなりました

びっくりしました
「え？今、なにしたの？」

「昔のテレビは、これで直った」

「あ～ぁ」
重たくて大きな不燃ゴミになりました

「昔のテレビなら、これで直ったんだよ！」
バンッ！
重ねて叩いても、壊したテレビは復活しません

「地デジ対応のテレビを買って、居間のテレビと換えてゲーム用にしましょうか」

アナログ時代の終わりごろの出来事でした


それを思い出して、扇風機のスイッチの所を叩きました

バンッ！

スイッチを回すと、風量が強くなりました

「お？！」

直っちゃった…

最新のＤＣモーターの扇風機ですが、スイッチはアナログだったのかしら

まさかねぇ…


続きにリモコンの修理も試みましたが、握力不足で蓋が開けられなくて断念しました

ハンダ付けも面白くて、好きなんだけど…


帰宅した夫に、（ちょっと自慢気に）扇風機本体の修理完了を報告しました

直ったことを喜んでいる夫に、どうやって直したかは話しませんでした