雨降りだった今日

孫が幼稚園から帰って来るのを
娘の家で待っていた。


幼稚園バスから
降りるなり私に抱きついて来る。



家に入り着替えをして
私が会いに行かない間に買ってもらった
オモチャを一つ一つ見せてくれる。
更には、オモチャを貸すので遊んでいいよと。


一緒に遊んで、おやつを食べて…。




今日は、
ふと思う事があった。


私の母は、私が娘を産む前に亡くなった。
だから、私の母も私の娘も互いに会った事がない。

だけど私は娘と、娘の子と普通に会えて
話をして、遊んで、おやつを食べて…
普通の事だけど私の母は、
この普通の事が出来なかったんだなぁと
思うと今日は胸がぎゅっとなった。



…母ちゃん、ごめんね。…
だけど私は幸せだよ。

健在ならば私の母は８６歳
親子４代がいてもおかしくはないけど。


私が母の立場になれば、
娘にも孫にも会えず、
一緒に話したり遊んだり笑ったりも出来ない。
もちろんこの幸せも味わえないのだ。

と思ったら…涙が出て…。

…母ちゃん、ありがとう…
私は幸せだよ。






母が最初に病に倒れ
入院した時、
母の洗濯物を持ち帰り洗濯した中に
オムツカバーがあった。
汚れたオムツカバーを手洗いしながら、
私は泣いた。



その時、私は２７歳で
まだ５０代の母の汚れたオムツカバーを
洗うのは虚しかった。
この時の事は、ずっと忘れないだろう。






さぞかし母も、
私の娘にも娘の子にも会いたかっただろうな。
でも、
私を通してきっと会ってるよね。
孫の娘にもひ孫の子にも、
私の目を通して、顔を見て。
私の手を通して、体に触り。
私の耳を通して、声を聞いて。

きっときっと会ってるよね、母ちゃん。


だから私は、幸せです。


帰って来る時には
孫に手を振って帰って来る。


帰りの車の中で、
母と話す…
今日も会えて良かったね。
また、会いに行こうね。



そして、

また、雨が強くなってきた。