怪しい電話の正しい対処法
50代前半  岩手県
2021/06/21 22:21
怪しい電話の正しい対処法
夕方6時半頃、唐突に電話が鳴った。
フリーダイヤルからだった。
よくわからない電話は気持ち悪い。
不審に思いながらも出てみた。

「もしもし」と受話器を耳につけると、いきなり耳元で

「あぁぁぁ~」

と、初老の男が唸った。

ヤバい電話かもしれない。
そう思って切ろうとした時、

「オリコカードの○○と申します」
と、唸った男が話した。

オリコカードは使っていないけれども、去年車を買った時にオリコでローンを組んで、ついでに作らされたから持ってはいる。
けれども用無いので使っていない。
使っていないカードの会社が一体俺に何の用事があって電話を?

続けて男はしゃべった。

「いつもオリコカードをお持ちいただいてありがとうございます」

初めて聞いた。
「お持ちいただいてありがたい」
変な言い回しをする男だ。

「今日は支払い等のお話ではありません。お客様にお得なサービスのご案内を、、、」

そんなわけなかろう。
お客様に得させるためにわざわざ電話で教えるなどという親切な事はするもんか。
オリコが得したくて、俺から何かをむしり取ろうといるんだ。

「あぁ、そういう話は結構です」

と言って耳から受話器を離した。
遠ざかる受話器の向こうで初老の男は、あぁ左様でございますか、今後とも引き続き、、、と何か言いかけているのが聞こえてきたが、最後まで聞かずに通話を切った。

冷たい奴だと思うかもしれない。
けれどもこれは俺なりの優しさだ。
相手の望みを叶えてやるつもりも無いのに、長々と話を聞くと、相手に期待を持たせてしまうし、相手の時間を奪う事になる。
さっさと次のターゲットと話をした方が初老の男のためだ。
大変な仕事だと思う。
同情はする。
初老の男に他の仕事は無かったのかもしれない。
生きるって大変だ。
がんばれ。

おやすみなさい。
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