昭和のお茶箱が凄い!
50代前半  岩手県
2021/06/30 21:42
昭和のお茶箱が凄い!
近頃休日は仕事の日よりもしんどい。
家にいるとやる事がたくさんある。

その一つが作業小屋の改装だ。
体育館を作っている。
「体育館」という名のトレーニングルームだ。

トレーニング器具の一つとして、高さのある箱が欲しいと思った。
上に乗っても壊れない丈夫な箱だ。
何か使えそうな物は無いかと蔵の中を探してみたら、お茶箱があった。

文字が書いてある。

「昭和四十四年八月花巻より/○○頼んで金壱千円にて求(め)たり/竜蔵の冬物入(ねまき)」

(○○部分は判読不能)
内容からわかる事は、少なくともこの箱が、52年以上前に作られたと言う事だ。
私が産まれてもいない昔の古い箱だ。
お茶箱として作られた後、この家に伝わり衣装ケースとして使われていたという事もわかる。

今ならホームセンターに行けば数百円で樹脂製の衣装ケースが手に入る。
除湿剤でも入れておけば充分衣類の保管には耐える。
しかし、樹脂製の衣装ケースは、50年後も原型をとどめていられるだろうか?

半世紀前に作られたこの箱はとても作りがしっかりしている。
数百円で買えるような物ではないだろう。

蓋を開けて中を見るとわかるのは、角が直角ではない。
角材を縦に斜め半分に切って、四隅に柱として入れている。
驚くべき手間で強度を与えている。
そして更に驚くべきは、全面にブリキを貼って、しかも継ぎ目は溶接してあるという手の込みようだ。
昔の職人の丁寧な仕事ぶりには舌を巻く。
これならお茶にとって大敵の湿気の侵入はままならないだろう。
衣装ケースにも使えるわけだ。

半世紀経って形が全く崩れていない。
蓋には板を貼って補強したけれども、蓋さえ補強すれば上に登っても全然大丈夫。
ジャンプしたってビクともしない。
とてもしっかり出来ている。
○イリス○ーヤマの衣装ケースでは、たとえ買ったばかりの新品でもこんな事は出来ない。

現代は昔より優れていると思うのは思い込み。
良い物を作って長く使う生活様式から、がっすい物を作って使い捨てて、また買って捨ててを繰り返す生活様式になっただけ。
それは進歩ではなく劣化だ。

お茶箱。
まだ蔵の中にいくつかある。
大切にして、次の世代に伝えて行きます。

おやすみなさい。
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