ふたりで奏でる｜ワクワクメール

ふたりで奏でる

あのね…………
あの夜も
今朝も
ごめんね。

いつもは
聴こえないウィンカー音。
言葉にならない想いが
涙になって溢れでた。

消えゆく塵の放つ
最期の光達に
あの夜の出来事。

あんまりにも、
やるせなくて
闇に引き込まれそうだった。

今朝はね。
もっともっと…………怖かった。
目覚めてずっと
ここにも居なくて
連絡もなくて。

貴方に、何かあっても
鈍感な私は気付けずに、
暢気に眠りに就いて
いたのかと。

焦って携帯を握りしめた。
思い当たる連絡先
全てを見つけるために。
スクロールした画面に
映る全て…………。

いつもは
音色が聴こえるような
貴方の書き上げる愛文も

私の名前を繰り返しそうな
写メも

時に官能的で
濡れゆくはずの言葉達も

…………貴方を感じれなかったら
ただの文字と画像でしかなかった。

甘い声の持ち主は
ふんわかを夢見たい
両極端な思考。

だからひとり不安になって
闇をさ迷っていたの。

初めて聴いた寝起きの声。
熟睡を妨げて…………ごめんね。

ベランダに居ると
ほぉっとします。

鈴虫の音色は
少しずつ
冬支度を始めたみたい。

頬にそよぐ風も冷たくなって
落葉が風に吹かれて
カサカサカサっと
季節の変わり目を
教えてくれます。

貴方がいる毎日が
固くなな心を溶かして
文字も画像も
大好きな声も
ふたりだから意味あるもので
素敵な音色を奏でるの

だから
あの約束…………忘れないでね…………