転倒リスクとQOL
40代前半  東京都
2022/11/03 15:16
転倒リスクとQOL
QOL
クオリティーオブライフ
生活の質や人生の質と言われる考え方だ

今の介護は
QOLとADLを最重視している
ADLは
日常生活動作だ

認知症に限らず
人は老化に伴い身体的に衰える
いくら鍛えも
痛みや
辛さに耐えても限界があり
年々筋力もバランスも崩れ衰えていく

介護職は
安全性を考えながら
QOLやADLの向上と言う難題を日々抱え
格闘葛藤している

認知症は
自己の身体認識も曖昧になる
記憶の中の健康で若い自分だと誤認することさえある
痛みに対し過剰に反応するかと思えは
骨折に気づかない程鈍感にもなる
徘徊や急に動き出す事も当たり前にある
だから
昔は
身体拘束が当たり前にあった
現在は
禁止されている
例外は
切迫性、非代替性、一時性の三原則を満たした場合だ
それ以外は
向精神薬等で鎮静させる事が多い
薬は朦朧とするが
今の介護には欠かせない手段でもある

QOLの向上と言葉にするのは簡単な事だ
けれど
本当に難しい
QOLを本気で向上させるなら
ご利用者様一人に介護士が一人付きっ切りにするぐらいの事が必要になる
生活や人生の質には自由が必要で
完全な自由など
健常であっても難しい
まして
安全性を踏まえるならそれは不可能だ

歩けは転倒リスクは必ずあり
車椅子移動か自力で出来ればやはり事故のリスクはある

認知症患者の徘徊や突発的な行動には
患者のなりの理由や原因があり
それをすべて抑え込む事は
それこそ
QOLやADLの低下と認知症悪化の原因にもなる

施設介護では
転倒事故は起きてしまう
様々な対策をしても
すり抜ける様に起きてしまう
下手をすれば
介護士が歩行介助していても起きることさえある
あってはいけない
これは大前提だ
けれど
起きることもある
それこそ
道路歩いていて
突然車が突っ込んで来るように事故は起きる

一つの介護施設で頻繁に事故が起きるなら
その介護施設にはなにかあるが
そうでない場合
突発的な事故の可能性がある

ご家族は
そんな事故でも許せないと言う気持ちはわかる
そうならないように
施設に預けてるのにと言う思いも
けれど
日々の状況や
施設との関係性がしっかり出来ていたら
裁判沙汰にまではなることは少ない

経験上
そういった事で
揉めるのは
面会や情報交換をしないご家族が多い
認知症を理解しようとしない
老化を認められない
弱さを見たくない
けれど
子として家族としての
矜持を満足させたい
そんな人がいる

介護士から言わせれば
施設=絶対安全ではない
それを目指してはいるが
絶対ではない

ご家族様の協力と理解がなければ
QOLもADLも絵空事でしかなく
絶対安全安楽を求めるなら
拘束して薬で朦朧としながら
胃ろうで栄養を流し込むのが一番安全なのは間違いない

介護は介護士だけでは出来ない
医師や看護師
理学療法士の様な専門家
そして何よりご家族様の協力と理解が無ければ
ご利用者様本人にとって
介護施設は緩やかな監獄になりかねない事を
もっと知って欲しい
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