オシラサマ
40代前半  東京都
2023/07/29 15:17
オシラサマ
遠野物語のには
シラサマと呼ばれる土着の神様の話しがある
馬を愛した貧しい農家の娘
その娘をどうにかしようと
馬を殺し吊るした父親
それを見た娘は馬の亡骸にすがり何時までも嘆き悲しむ
父親はそんな娘の態度に業を煮やし
娘の前で馬の首を刎ねる
跳ね飛ばされた馬の首に娘が捕まると
そのまま娘と首は空へ上り消えた
その後
両親の夢に娘が現れ
臼で蚕を育て
その繭で糸を紡ぎ
絹糸を作る様にと伝えて消えた
それが
養蚕の始まりとなり
人々は娘と馬をオシラサマと讃え祀った

馬との異種婚談から始まるオシラサマの伝承
日本のみならず
世界中に異種婚談はあるが
オシラサマの伝承は少し不思議でもある

オシラサマは
土着の神様らしく
様々な権能を持ち
蚕や農業、馬の神様とされる
奉り方もかなり変っていて
集落や一族毎に違いがあり
外に語る事も禁忌とされる為
民俗学でも余り研究されていない
しかし
表に出ている情報もある
曰く
オシラサマは
二足四足の肉や玉子嫌い
お供えしてしまうと
大病を患い
顔が曲がる
一度拝むと
一生祀らないと祟りがあると伝えられている


たまたま遠野物語を目にする機会があり
オシラサマを知った
ここからは僕の所感で
民俗学とか学問での話しではないので
そのつもりで読んで欲しい

農作業を行う馬は
農家にとって貴重な財産で労働力だった
しかし
耕馬は耕牛に比べ
病気に掛かりやすく
繁殖も難しい為に
牛がいても馬がいる貧しい農家はそう無いが
遠野物語の遠野地方では
遠野馬と呼ばれる馬の産地であり
古くは南部駒の産地でもある
その為馬がいてもおかしくないのかもしれない
  
馬には昔から
勝利や戦い
移動
男性性なんてがものの象徴とされ
又占い等の啓示として
幸運や性的パワーを表している

仏教の六観音のうちの一尊に
馬頭観音菩薩がいる
馬頭観音は女性的な観音像の中で
唯一憤怒の相をしている
馬頭明王とも呼ばれ
衆生の無知と煩悩
邪悪を毀壊する菩薩とされる
馬の守護仏であり
すべての畜生類を救う観音でもある
仏教には
六道輪廻の思想があり
その中のには畜生道がある
畜生道に落ちた者を救済するのも馬頭観音菩薩とされている

また
馬頭観音の石仏は
生活に密着した馬に結びつけられ
民間信仰に溶け込み
数多く残されている


日本の山間の村落は
山に阻まれ交通の便も悪く
ある意味孤立したコミュニティーを形成し易い土壌だ
その為
子孫を残す為には様々な方法をした
その中には今では有り得ない習慣や風習もあった
夜這い等はその最たるものだろう

そして
少数の集落になると
近親交配の可能性は高くなる
一親等でなくても
近しい者同士の婚姻や子供は生まれやすい環境になる

オシラサマの嫌う物が
肉や玉子なのは馬が草食動物である事で説明はつくが
顔が曲がる
大病にかかるのは
近親相姦の遺伝子異常によく見られる傾向だ

16世紀から18世紀
スペインを支配していたハプスブルク家は
近親相姦を続けた事で特徴的な顎の変形がみられる者が多く生まれた

最近
ルアンダの自然保護区に住む
マウンテンゴリラの顔が歪んできている報告があり
フランスのボルドー大学の教授らが
調査研究した結果
個体数が減り近親相姦を繰り返した結果
マウンテンゴリラの顔が歪んでいる可能性が高いと
科学誌に掲載した


こういった事を踏まえると
オシラサマの伝承の見方が少し変わる
六道輪廻の畜生道に落ちる者は
見境なく肉親間で性行為や色恋をした者だ
それを救うのは
馬頭観音菩薩
一度拝むと一生祀るのは
罪の救済を求める為
禁忌で話せないのは
近親姦の事実を伏せる為

オシラサマの伝承は
遠野以外でも
名前が少し違うが
東北の山間部に点在してる

伝承や儀式が
各集落や町内
家族や親族だけで行われるのは
そういった事情があるのかもしれない

ただ
今は先天的遺伝子異常の可能性がある事が知られ
近親婚や近親姦はタブーだが

それこそ昭和初期まで
かなりそう行った事が日本全国であった
ましてや
仏教で戒めている程
そう行った事が
多く当たり前にあって
東北地方が異質なわけではない

その中で
罪の意識や業と言ったものを
残し伝えてるだけ
オシラサマ信仰は凄いことかもしれない


ただ
前期したように
これは僕の所感で
勝手な想像と仮定

なので真実でもなければ
学者の考察でもないのであしからず
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