最期のラブレター
50代前半  岡山県
2019/05/31 19:01
最期のラブレター
私は仕事柄、人との別れを多く経験します。
消えゆく命の灯火を見守り、ただそっと側に居て寄り添う。
人生の終末期に寄り添えるこの仕事に誇りを持っています。

今日もまたお1人の方とお別れしました。
お別れしたその方に想いを馳せながらお1人様ランチをしていたら、ふと昔の事を思い出しました。

私が今もなおこの仕事を続けている原点です。

その昔、ある方から最期のラブレターを頂きました。
それは、末期癌で余命幾ばくも無い方からの人生最期のラブレターでした。

その当時、週に2日のペースでお手伝いをさせて頂きに 独居のおばあちゃんの自宅へ伺っていたのですが、ある日突然のキャンセルの電話。

体調を崩したので入院したとの事。
その頃、体調が思わしくないと時々仰っておられたので心配はしていました。
「退院したら、またよろしくね!」
との伝言を受け取り、数週間が過ぎていたと思います。

入院されてから1ヶ月ほど経った頃でしょうか‥
再び、1本の電話が入りました。
そのおばあちゃんがお亡くなりになられた知らせと、遺言、そして遺品を預かっているから受け取りに来て欲しいとの知らせでした。

会社を経由して受け取った遺品とは、そのおばあちゃんからの「最期のラブレター」でした。
ただの切れっ端の紙切れに、震える字でたった一言

「あなたに会えてよかった」

そう書かれてありました。

ご臨終の前日に、震える手で私に宛てて書かれたそうです。
そして息を引き取る前に最期に残した遺言は娘様でもお孫様でもなく、私にだったそうです。

「毎週、りこちゃんが笑顔いっぱいで会いに来てくれる事がたった一つの楽しみで、支えだった。
最期まで寄り添ってくれて ありがとう。
あなたに会えてよかった。」

私にそう伝えて欲しいとご家族に言い遺して亡くなられたそうです。

嬉しくて涙が溢れました。
こんな私でも、誰かの人生の物語の1ページに記録されていたんだ。

後日、その方の娘様からお礼の電話を頂きました。

「母は、あなたに支えられて人生の幕を閉じました。
私たち家族に成り代わって母を支えてくれてありがとう。
母はあなたに出会えて、幸せでした。」

と。

消えゆく命の灯火を見守りたい。
無力な私は何も出来ないけれど、ただ側にいて手を握っていたい。

その方から頂いた最期のラブレター。

その想いを胸にしまって、明日もまた頑張ります!
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コメント

50代前半  岡山県

2019/07/02 16:14

20.  >>19 セドグロさん
ありがとうございます[にこにこ]
お褒めの言葉を頂き、恐縮です[ぴかぴか(新しい)]
これからも頑張って行きますね!

40代後半  鹿児島県

2019/07/02 15:54

19. 介護士 看護師さんかなぁ?
胸がぐっと熱くなる心温まる日記ですね!
貴女の人間性が表れてますね!
サイトにもこんな素晴らしい方がいるんですね!〓‍♀️

50代前半  岡山県

2019/06/02 1:23

18.  >>17 まがさん
そのように言って頂けて、とても嬉しいです!

ありがとうございます[にこにこ]

まが[退]
30代半ば  東京都

2019/06/01 20:07

17.  >>16 りこさん
きっとその方も娘さんも、りこさんのことを
信頼しきってたんでしょうね。

天国に行かれても、りこさんのことを
思ってくれると思います。

ステキな話ですね。

50代前半  岡山県

2019/06/01 18:22

16.  >>15 まがさん
独居の方で、お近くに娘様はおられたのですがお仕事がとても忙しい方で、お会いになられる事は殆どありませんでした。

なので、週に2日訪ねて来る私が唯一の訪問者であり、話し相手でした。

私が訪問する予定時刻のずっと前からソワソワと待ちわびてくれていて、その様子はまるで恋する乙女のようでした。

あなたの笑顔が見たい、あなたの声が聴きたい、そんな感じで私の事を大切に想ってくれていた。

大切に想われて、私はとても幸せでした!

まが[退]
30代半ば  東京都

2019/06/01 15:03

15. りこさんに会えるのを本当に毎回毎回
楽しみにされてたんでしょうね。
きっと家族以上に。

読みながら私も涙が出てきました。
りこさんの人柄がでていたんではないで
しょうか。

今、電車の中でコメントしてますが、
涙を拭いている私…。

50代前半  岡山県

2019/06/01 10:20

14.  >>10 とうふさん
この方から頂いた最期のラブレターと遺言が、今の私を支えてくれてる原点です。
私もその方を支えていたのでしょうが、今の私はその方からのラブレターと遺言に支えられて仕事を続けられています。

私が訪ねてくる時間の数十分前から、ドアの前で私が来るのを待ってくれていて、1分でも遅れると事故にあったのではないか?と心配してうろたえていました。

会いたくて会いたくて想いを募らせてくれてたそのご様子は、今思えば、まるで恋する乙女のようなものだったかも知れません。

そんなに想われていた私は幸せ者でした!

50代前半  岡山県

2019/06/01 10:13

13.  >>9 ココさん
やだ、泣かないで下さい 笑

私の心の中にしまってある大切な思い出を久々に取り出してみたので、日記に綴ってみました!

50代前半  岡山県

2019/06/01 10:10

12.  >>8 温州でこぽんさん
人はか弱い生き物です。
誰かの支え無しには生きていけない。
そんな人達の手を握って居たいです。

50代前半  岡山県

2019/06/01 10:07

11.  >>7 なっつさん
お祖母様からの手紙があるのですね。
時折、思い出して読んで、想いを馳せてあげて欲しいです。
きっと、なっつさんの事をとても愛してくれた優しいお祖母様だったのでしょうね。

誰かの心の支えになれるような、そんな人になりたいです。
たくさんの「ありがとう」が、1番のご褒美ですよね♪

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