今、命の灯火の火が消えかけている方と向き合っている。
私とそんなに歳の違わないまだ若い女性の方だ。
看取りをするのは重いので一度は辞退させて頂こうとお断りしたが、
どうしても私に来て欲しいとの熱いリクエストを受けてお受けする事にした。
人生という名のスタンプラリー。
今日も1日、命を繋げた事にホッとする。
あと何回、命のスタンプが押せるのかは誰にも分からない。
でも、その方のスタンプ帳の残りページはあと僅かだろう。
毎朝起きて、日中何度も、
自分が側に居ない時間に命の灯火が消えたという連絡が入ってないかとスマホを確認する日々。
その度に、今日も頑張って命を繋げてるな
って思ってホッとしているけれど、、
その方はどう思っているんだろう?
話す事も出来ず、寝返りを打つ事も出来ず
ただじっと天井を見つめていて
時折涙目になっている。
何か伝えたい事がある時は
目で訴えてくるその視線を読み取り
心で会話してその方の訴えを探る。
辛くて苦しくて、本当は早く楽になりたいと思ってるのだろうか?
と、そんな風に思うと自分の無力さを思い知る。
私は医者じゃないから
その方の苦痛を取り除いてあげる事は出来ない。
今よりも、もう少しお元気だった頃に
私に言っていた言葉を思い出す。
『最期まで来てね。お願いね。』
その時は本音は行きたくなかったから
私はこう答えた。
『私が来れなくても代わりの人が居るから安心して下さいね
![[にこにこ]](https://login.550909.com/emoji/ic_smile.gif)
』
すると、その女性は言った。
『ダメ!あなたに来て欲しいの。
毎日何人ものヘルパーさんが入れ替わり立ち替わり来てくれるけど、、あなたが良いの。』
少し意地悪な私はこう答える。
『誰が来ても同じですよ。皆さん、ちゃんとしてくれるでしょう?』
女性はなお引き下がらず、私に告げる。
『毎日何人も、何十人もの人が私を支えてくれてるわ。
でもね、あなたが良いの。あなたの手が1番優しいの。
他の人の手は仕事をしている手。
でもね、あなたの手は違うの。
あなたの手が1番優しいのよ。
だからお願いね。最期まで来てね‥‥』
そう言ってベットの上でうっすらと涙を浮かべた。
命のスタンプラリー。
本当に残りのページはあと僅かになり
苦痛との闘いの日々になっている。
何度もやんわりと辞退させて頂きたいと伝えたが
どうしても最期まで私に来て欲しいと泣かれたから、私も覚悟を決めた。
行ってもあまり出来る事は無い。
息絶え絶えに苦痛の表情を浮かべるその方の側に寄り添って目で会話する。
正直、何を訴えているのか分からない事の方が多い。
私なんかが居たって無力だ。
そう思う。
だから、そっと手を握る。
布団の中に手を忍び込ませ、その方の手と私の手を重ねる。
片手で身体をさすって差し上げながら
もう片方の手をその方の身体のどこかに触れる。
もう声を出して返事をする事もままならないその女性。
私と目が合うと、うっすらと涙を浮かべ微笑んでいた。
コメント
2022/02/27 7:25
8. >>6 yutikaさん
上辺だけじゃなく手から伝わるものはあると思ってるからね、(´-ω-)ウム
人それぞれ求める事が違うから、その人の
『欲しい』に私がピッタリ一致したのでしょう。
的確さとか手際の良さとかを求めてる人だったら私はポイされるわ🤭
返コメ
2022/02/27 7:19
7. >>5 温州でこぽんさん
実は意外と、どうなっても後悔するような
あまりしないような
つまり気の持ち方次第なのね🤭
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2022/02/27 0:36
6. リコニャンの良さを1番分かってるのは、実はその人なんかしれんね(*´ェ`*)ポッ
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2022/02/26 21:51
5. これに関してはあまり多く語らない方がいいかな。
後悔の無い様に。
返コメ
2022/02/26 18:58
4. >>3 ももクリたろうさん![[にこにこ]](https://login.550909.com/emoji/ic_smile.gif)
ももクリさん、コメントありがとうございます
最期の看取りとなると私としてもなかなかの重圧に耐えれるか自信がありませんが‥
それでも私の事を望んで下さったならと
自分に出来る事をしてみますね。
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2022/02/26 9:43
3. 思わずうるっ(இдஇ; )となってしまいました。
仕事としての介護と気持ちのある介護は、介護される側もする側も違うでしょうし...
素晴らしいことだと思います〓
応援しています(*^^*)
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2022/02/26 9:03
2. >>1 @黄色さん
無情の風は時を嫌わずと言いますが
誰かの人生の最期の1ページに残るって結構重いです。
それでも私を望んで下さったなら、最期の時は手を握ってて差し上げたいです。
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2022/02/26 8:52
1. 素晴らしいです
出来るなら最後の時に立ち会ってあげられたら
そう思います
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