涙のお弁当
50代前半  岡山県
4/5 12:03
涙のお弁当
新学期が始まった。
いつも作って持たせていた息子のお弁当。


息子の高校卒業まで毎日毎日、1日も欠かさず卒業まで作り続けたお弁当。

高校を卒業した時に私のお弁当作りも終了し
頑張った自分と毎日残さず食べてくれた息子に感動して涙が流れたのを思い出す。


あれから3年。
終わったと思っていたお弁当作り。
大学生になっても変わらずお弁当を持って行くという息子に作り続けていたけれど、ある事情でお弁当を作る事は無くなった。


お弁当を作っている日々は面倒くさいと思い
早くこの生活から解放されたいと願っていた。


でも作れなくなってから気が付いた。


『作らない』と『作れない』の大きな違い‥


今日から新学期。
もう2度と作れないかもしれないと思っていたお弁当。

朝から忙しく料理したオカズをお弁当箱に詰めて息子に持たせた。

またお弁当を持たせてやれる日が訪れたこの感激。
嬉しくて涙がポタポタ流れて止まらない。


またお弁当を食べてくれるようになった息子が愛おしく、そして誇らしかった。

大学生にもなった身体の大きな息子を抱きしめて、溢れる涙を拭きながら


『お弁当出来たよ、気を付けて行ってらっしゃい。ありがとうお弁当持って行ってくれてありがとう‥ありがとう‥』

そう言い続けた。



今日のこのお弁当の事は一生忘れない。



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