12月の映画日記⑥
40代前半  神奈川県
2010/12/09 0:35
12月の映画日記⑥
①白いリボン

②12/7 銀座テアトルシネマ

③非常に観たかった

④2009年カンヌ国際映画祭 パルムドール大賞 受賞。
世界の映画賞32部門受賞、54部門ノミネート。

第一次世界大戦前夜のドイツ北部。プロテスタントの教えを信じる村人たちに、ドクターの落馬事故、小作人の転落死、男爵家の火事、子供の失踪と不可解な事故が次々と襲い掛かる。小さな村は不穏な空気に包まれ、村人は疑心暗鬼に陥り、子どもたちは苦悩を感じ始めていた。
そして次第に浮かび上がる村人達の素顔が、徐々に浮き彫りになっていく…、こんな感じのストーリー。

「全世界が凍りついた恐るべき問題作、いよいよ日本上陸!!」

私、こう言う映画賞をなん部門受賞とかにめっぽう弱くてね。
しかも、あんな宣伝文句見たらいかざる得ないでしょ?

正直な感想ですが…、思ってた以上に敷居が高い…。
徐々に真相に迫ってるんだけど、決定的な真実を見せず、「で?それで?犯人は?何人?もしかして黒幕とか居る?、早く、早く教えて~」と言う我慢の限界で映画は終了します。
もうね、観終わった直後は「えっ?えっ?」と意味がわからず、ある意味凍りついた。

がしかし、この映画の凄い所はここからでした。
要するに映画の内容をもう一度頭で整理しながら、画面に映されていた点と点を結びつけて、伏線の意味をたどりながら、自分自身で結論を出すという所まで、この映画は続いていたのです。

そしてやっと辿り着いた結論さえも、物語のはじめに語り手が「語る内容がすべて事実かどうかはわからない」と言ってしまってるので、想像でしかないという事。

この映画を面白いと思わなくても、それは普通であり、自分なりにこの映画へ歩み寄った時に初めて、物語とは別の何かが見えてくるのだと思います。

⑤8.0点 いや~、難しい…

⑥このミヒャエル・ハネケと言う監督は、人間の心の闇を執拗に描く映画を多く撮ってるみたい。
この「白いリボン」はモノクロ映画なんだけど、物語の中に散りばめられた、悪意、暴力、欺瞞、嫉妬、無関心など、ありとあらゆる感情の闇を、逆にモノクロだからこそ鮮明に浮かび上がらせたんじゃないか?とまで思えてならず。

私は2008年の「ファニーゲームUSA」しか観てないけど、この監督の残り9作全部観たくなってしまいました。
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コメント

40代前半  神奈川県

2010/12/09 23:35

4. >ケイさん

イキガって面白かったぜと言いたいけど、本音はちょっと難しく思えてしまった。
ほんと、せめて確信に迫るネタは回収して欲しかったな~。

でも、ケイさんも書いてたけど、私も無音のエンドロールのなか立ち上がる人達の顔を見てたら、なんかニヤニヤしちゃった。
ミヒャエル・ハネケは、どんだけ見る側を信頼してるんだろって。
でも、都内1館にわざわざ来た人達は、みなこれを承知で観にきてたんだろうけどね。

オススメの「ピアニスト」、観ました!
いや~、これまた重い…。

40代後半  東京都

2010/12/09 18:10

3. >チバユウキさん

おお!「ピアニスト[スパーク]」。俺もハネケでは好きな映画で(と、いうか唯一何度も観たくなる映画で…)、DVD持ってる。嫌な話ではあるけど、あの女性の痛ましさには圧倒されますよね。イザベル・ユペールでしたっけ?
いや、すげえ根性ある女優ですよね。

40代前半  東京都

2010/12/09 15:03

2. ミヒャエル・ハネケ監督作品は、「ピアニスト」だけ鑑賞してDVDも持ってるけど、個人的印象は《ドイツ板ラース・フォン・トリアー(「ドッグ・ヴィル」)って感じ。
観客に決して擦り寄る事無く、独自の作風を貫き場合によっては観客すら突き放す、みたいな。
ハネケ監督は現実に必ず存在する〈悪意〉を、画面に炙り出す事で人間の本質の一つを描く人かな~と思いますね。

40代後半  東京都

2010/12/09 7:34

1. おー~…。ご覧になられたんですね。レビューを読んだ感、じ結構楽しんだ観た感じもありますが、やはりあのラストはとりあえずは「え~…?」ですよね(苦笑)。あんだけネタふりしといて回収なしかよってなもんで。私は「語り手」が見てるはずの無いことが写ってるのは、欠陥だと思いましたが…なるほどそう捉えましたか。う~ん、確かに「敢えて」という気はするかも…。それくらいのことはやる監督かもですね[ウッシッシ]

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