ジムのお風呂で、お風呂の床に湯船のお湯をかけまくって
きれいにしてくれるおじさん（以下「正義のおじさん」）がいる。

キレイにしようとしてるというか、こだわりがあるんだろうな。
ジムのお風呂で見てると、お風呂の入り方はそれぞれ独特のこだわりがある。

ほとんどの人は、自分のためのこだわりだが、正義のおじさんは、
潔癖症というよりは、みんなが快適に入るための動きに見える。
俺がお風呂の入り方の手本だみたいなオーラがあるので誰も文句を言わない。

この前、正義のおじさんを怒らせたおじさんがいた。
正義のおじさんは、いつもどおり湯船であったまったあと、
洗面器で、床にジャアジャア湯船のお湯をぶちまけていた。

そこに、ジムが終わって汗だくでお風呂に入ってきたおじさんが登場。
そのおじさんは、多分いつもどおりの行動だと思うが、
すぐに洗面器で湯船のお湯をくんで何回も自分の体にかけ、さっと汗を流したあと
そのままズブーンと湯船に入ってきた。

壁には「かけ湯をしてから入ってください」と書いてあるので、それはルール違反ではない。
そのおじさんにしたらいつものルーティンなんだろう。

しかし、ほとんどの人は、お風呂にはいるとまず洗い場に行って体をきれいに洗ってから湯船に入る。
だから、体洗って入ってる側からすると、かけ湯だけで入ってこられるとあまり気持ちいいものではない。
おいおい、体洗ってから入らないとお湯がよごれちゃうじゃないか、とちょっと思う。

そこで正義のおじさん登場だ。

思わずどういう態度を取るか見てしまった。

明らかに顔が怒っている。
そして、その怒った顔のまま、湯船に入ってきたおじさんに対してメンチ切っている。

相手は、素知らぬ顔をして、視線を合わせないようにしてるが、正義のおじさんはガン見していた。
でも、ルール違反ではないから、一言も発しない。その状況がずっと続いてた。

ちょっと、かわいかった。