再び山へ
続きです
電話の相手は先程呼び出された人でした
緊急事態なので、今から別の場所に来てくれんかとのこと
時計の針は十七時丁度を指しています
今から山奥だと、どう頑張っても定時内に戻ってこれんな・・・
まあ残業だろうがサービス残業だろうが構わないんですが
上司に相談したところ、「緊急なら行くしかないんじゃない?」とのこと
結局手続きに時間がかかってほぼ定時に車に乗って現場へ
実はあんまり残業しない暮らしを送ってきた上に、残業しても事務仕事ばかりだったのでこんな時間に山に行くのは初めて
街頭のない、真っ暗な山道は想像以上に怖いぞと脅されていまして、果たしてどんな目に遭うかとビクビクしながら運転していると・・・
目的地から大分手前、結構な数の家やら事務所やらが立ち並ぶいわゆる町場すぐそばの道の真ん中で猪に遭遇しました(´Д`)
でけぇ・・・(^^;)
そして日中ならこちらに気づくとすぐさまいなくなるのに、動こうとしてくれません(´Д`)
何度かアタックしてようやく道を開けてもらい、夜の山道へ
目的地はこれまたいまだかつて行ったことのない土地
数分ごとに車を停めて地図を確認しながら奥へ奥へと歩を進めました
向こうの見えない曲がり角を曲がりきったところ、ライトに照らされて何やら小さなものがのそのそと・・・
なんだと思ったら野うさぎでした(´Д`)
兎って思ったほど軽快に動かないんですよね(笑)
のそりのそりと森の中に消えていきました
さて
苦労してたどり着いた目的地は一軒のお宅
待ち合わせしてるんですが、早くついたかなー
とりあえずと車から降りて玄関へ近づきました
すると暗闇から真っ黒な影かわんわんと吠えながら飛び出してきました
気付かなかったですが、中型犬がいたようです
って、首輪してるけど繋がってないじゃないか(・・;)
とっさに距離を取りましたが、車からはまだ距離があります
犬は俺に向かって唸りながらにじりよってきます・・・
背中向けると襲われそうですが、食らいなかを後ろ向きで車まで戻る自信もない・・・
これは多少の怪我は我慢するしかないかと思ったとき、別の方向からまた犬の声が!
どうやら四方に一匹ずつ、囲まれてしまったようです
これはもしかして死ぬコース?
最初の一匹が低く構え、今にも飛び出そうとしたところで、ギリギリに後ろから車が!
運転手は窓を開けながら「戻れ戻れ!!ハウス!ハウス!!」と叫んでいました
犬たちはおとなしく下がっていきました・・・
待ち合わせ相手が到着したようです
「いやー、あいつら全部飼い犬なんだけど、知らない人には噛みつくからな」
そんな犬放し飼いにしてるのか・・・?
「いや、いつもは繋げてるんだけど・・・。あ、切れてる」
その後おっさんと仕事の話をしまして、さあ切り上げるかとなったところでボソッとおっさんが言いました
「いやー、しかしよかった。うちの犬、100キロ程度の猪なら一匹で噛み殺せるくらい強いから(笑)」
笑い事じゃねえだろ!!
首輪とリードはちゃんとつけろ!!(T-T)