胸に手を当てて考えてみてください。

あなたは何の為に生きてますか？


おいおい胡散臭いとは思ってたけど、
こいつとうとうヤベェ事言い出したよ！！
とお思いの皆さんご安心ください。

僕は謎の宗教にハマったわけではありません。
ましてや洗脳セミナーへの勧誘でもありません。
そしてもちろん僕は詐欺師ではありません。

数年前にばあちゃんが亡くなった時
ふと思ったんだよね。

オレは何の為に生きてんだ？って


人類の誕生から数百万年。
この壮大な歴史の中で今この瞬間
僕が生きてる意味って何だろう。

答えは簡単

そんなもんねぇよ！

です。

そう、僕らが死のうが生きてようが「人類」にとってみれば、そんなもんどうでも良いんです。みんなどうせ死ぬんだから。

でも僕ら「個人」としては大問題。
何しろ人生が終わっちゃうわけだからね。

僕らが生きている意味

それはつまり

お前の生きる意味なんて無い
だから生きる事に意味が欲しけりゃ
テメエで勝手に作っちまえ

ってことなんだと思う。

あなたは何の為に生きてますか？


僕が今を生きるちっぽけな個人として考え抜き、正直に出した答えはコレです。

「僕ら人間は欲を満たす為に生きている」

結局ちっぽけな僕ら人間の「生きる意味」ってここに行きつきませんか？

いや、オレは世界を変えたいんだ！

私は誰かの役に立ちたいの！

なんて「サバンナの地平線に沈む夕陽」クラスの壮大な事を言う人も、掘り下げて考えるとそれって「世界を変えたい欲」だったり「誰かの役にたちたい欲」の為だったりするんじゃないかな？

そう、僕らは「欲を満たす為」に生きてるんだ。


今日のテーマはいたってシンプル。
今を生きる人類のリアルな欲望

僕らはなぜ無駄な物を買ってしまうんだろう

コレについて考えてみたいと思います。


皆さん自宅に
「なんでこんなの買ったんだっけ？」
って思う無駄な物ありませんか？

コレ使ったのいつだっけ？って文房具
何を血迷ってこんなの買ったんだ？って洋服

僕の家にもたくさん「無駄な物」があります

意識の高い人達は
「無駄な物を買うから、君は本当に欲しいものが手に入らないんだ」
なんて事を言うかもしれない。

悔しいけど、多分それは正解だ。

でもそんな上から目線で言われても
僕らの耳には届かない。

だから僕ら「意識低い系」は、もっと根本的なところから考えるべきなんだ。

まず僕らは
「そもそも無駄な物って何？」
ってことから考えないといけない。

「無駄な物」と曖昧なまま放置するから、いつまでも僕らは買い続けてしまうんだ。

無駄な物は次の4つに分類できる

1、あまり使わない物
2、使いこなせていない物
3、役に立たない物
4、害になる物

どうですか？
こんな感じじゃないですか？

得体の知れない謎の置物
サイズ違いの洋服
予備として買ったけど使わなかった物
自宅に届いたら思ってたのと違ってた物
そして、よく分からないアート作品


当たり前だけど、これらに共通するのは
「無くても何不自由なく生きていけてる物」
つまり「必要ない物」ってこと。

要するに僕らが買っちゃう「無駄な物」の正体は「必要ない物」の事なんだよね。

だったら僕らは、なぜ「必要ない物」を買ってしまうのか？

答えはとても簡単
「買う時は必要だと思ったから」

そう、これって俗に言う「勘違い」ってやつ。

でも「勘違い」は理由にはならない。
勘違いしても買わなけゃ良いだけなんだから。

勘違いしたまま「買ってしまう」こと
が最大の問題なんだよね。

「勘違いしてるのに買ってしまう」
その理由は次の3つが考えられる
①勢い　②思考停止　③快楽

①勢い
まず一つ目は勢いで買っちゃうパターン。
これは皆さん思い当たるよね？

ええーい、もう買っちゃえ！的なノリ

怖いですよね、勢い。


②思考停止
こんな理由で買った経験ありませんか？
「ネットで評価が良かったから」
「◯◯がオススメしてたから」
「安くなってたから」

僕らは自分で手に入れた情報に一致する商品を見ると、そんなに欲しかったわけじゃないのに、なぜか思考停止して買ってしまったりするんですよ。

なんで買ったんだっけ？
って思う商品は、だいたい「何も考えてないから」買ってしまってるんじゃないかな。


③快楽
買い物って、もうそれ自体が快楽！
めちゃくちゃストレス発散になるんだよね。
財布からお金を出すと「禁欲後の男」のように出すのが止まらなくなっちゃったりしません？
気持ち良いんだよね、ホント。


こんな感じで僕らはいつも、ついつい無駄な物を買っちゃうんです。

でも僕は思う。
買い物の本質はコレじゃない。

というわけで、もう一段階深く考えてみると面白い事に気が付きました。


僕らは何かを買うその瞬間、夢を見ている

「素敵な服を着てデートを楽しんでいる夢」

「難しそうな本を読んで頭が良くなる夢」

「新発売の家電を買って快適に暮らす夢」

様々な「夢」が一瞬、僕らの脳裏に描かれる。

そしてその描いた夢が表示された金額を上回る価値のあるものだった時、僕らは財布からお金を出してしまうのだと思う。

つまり僕らは

商品を買っているのではなく
「なりたい自分になれる」という
一瞬の夢を買っている

ってわけだ。


あなたは何の為に生きてますか？

僕は欲を満たす為に生きています。


「なりたい自分になれる一瞬の夢」

無駄な買い物をしてしまう僕らの欲は、単純に「生きる目的」を果たそうとしているだけなのかもしれない。

勢い、思考停止、快楽
そして一瞬の夢

そう、無駄の中にも幸せはある



僕が社会人になったばかりの頃の話だ。

久々にばあちゃんの家に行った時、
部屋には見慣れない絵があった。

「あれ？ばぁちゃん、この絵どうしたん？」

「それ、買ったんよ。こないだうちに来た若い子が何でも安く買える店紹介してくれる言うて。そのお礼に買ってあげたんよ。」

は？何だよそれ

何か怪しい

話を聞いた時ふとそう感じた僕は、ばあちゃんが貰った名刺に書いてある番号に電話をかけた。案の定、電話は繋がらない。

後日その絵を鑑定してもらうと、全く価値のないものだと判明した。

そう、ばあちゃんは詐欺にあったんだ。

何でも卸値で買える会員制のお得な店があって、この絵を買えばその会員カードをプレゼントさせていただきます、この地域の方限定のお得な機会ですよ！

そんな感じの手法だったと思う。

無性に腹がたった僕は、詐欺被害を通報しようとした。
でもそれを止めたのは、被害者であるばあちゃんだった。

「ごめんな、でもええんよ。
これはもうこれでええんよ」

ばあちゃんはシワくちゃの顔を、さらにシワくちゃにして泣いていた。

これで良いわけないだろ！
オレが何とかしてやるから！！

「これでええんよ、これでええの。
ごめんよ、ごめんよ。
アホでほんまにごめんよ」

ばあちゃんは泣き崩れながら何度も繰り返していた。
僕は心が痛くて痛くて。
自分の無力さが情けなくて。
ただシワくちゃな顔で涙を流すばぁちゃんの肩を、不細工な表情でさすってあげる事しか出来なかった。


ばあちゃんが亡くなった今も、結局僕は家族にこの話はしていない。
きっとこれからも話すことはないだろう。
僕ら2人だけの秘密だ。

こんな感じで文章化するつもりも無かった。
でもどうしても書かずにいられなくなったんだ。

僕は今回、ある事に気付いてしまったから。


「なりたい自分になれる」という一瞬の夢

ばあちゃんはあの時、絵を買ったのではなく「会員カードを手に入れて僕と一緒に買い物に行くという夢」を買ったのかもしれない。

ばあちゃんにとって、その夢は絵の金額よりも価値があった

そして一瞬でも楽しい夢を見せてくれた若い詐欺師に対して、小さな感謝の気持ちもあった。
だから憎みきれずに通報を止めたのではないだろうか。

僕は鳥肌がたった。


ばあちゃんはきっと誰かと話したかったんだ。
誰かに話を聞いてもらいたかったんだ。

その相手は僕であるべきだった。
僕が「近々行くよ」と言いながらなかなか来ないから、親身になって話を聞いてくれる若い詐欺師に協力したんだ。

僕と一緒に買い物に行く
無駄な買い物のための、ちっぽけな夢

でもそれがばあちゃんにとっての楽しみ
そして生きていく為の「欲」

僕は涙が止まらなくなった。

「近々行くよ」だって？
心のどこかでいつまでも今が続くって思ってたんだろ？

ばあちゃんに詐欺をしたのは誰だ？
それはきっと僕だ。

僕は空に向かってつぶやいてみた。

「ごめんよ、ごめんよ。
アホでほんまにごめんよ。」


勢い、思考停止、快楽
そして一瞬の夢

僕らはちっぽけな人間だね。
いつまでたっても無駄な物を買ってしまう。
でもそれで良いじゃない

時には夢に騙されたって良いじゃない

無駄の中にも幸せはあるんだから

ばあちゃん、あなたは何の為に生きましたか？

当分先になるけど、いつか会いにいくからさ
その時ゆっくり話そうよ。

胸に手を当てて考えてみてください
あなたは何の為に生きていますか？

僕は欲を満たす為に
これからも生きていこうと思います。

安心してよ、もう詐欺なんてしないから。