「オレで良かったら、いつでも相談にのるよ」

昨今こんなセリフをのうのうと吐く「脳内お花畑全開男」が、この国に大量発生しているという報告を受けております。

そこで「下心がない」でお馴染みの私カジノは
「ぜひ優良出会い系サイトで悩み相談というものについてレクチャーして欲しい」
と日本政府から依頼を受けまして、この度「正しい相談の乗り方」について教鞭を取らせていただく運びとなりました。

今回講師を務めさせていただきますカジノと申します、皆様どうぞよろしくお願いします。


冒頭で申し上げた通り、最近「自称 悩み相談に乗るのが上手い男」が日本で大量発生しているという事は、皆さん当然毎日ニュースで耳にされていると思います。

彼らは盛んに
「オレデヨカッタラソウダンシテネ」
とアピールをしておいて、気付いたら

「マズハ、ラインカラ」
「イヤシアエルカンケイヲ」
「コンヤアエマスカ？」

などと独特の鳴き声を響かせるのが特徴です。

そしていざ本題の相談事を持ちかけると、その回答は「最先端のコンドーム」よりも薄っぺらい、どうしようもない答えだったりするのです。

ここ優良出会い系サイト・ワクワクに集う皆さんは、すでに酸いも甘いも経験され、成分のほとんどが優しさで出来ている「バファリンよりも優しい人間」であると存じております。

ゆえに、弱みに付け込む彼らのスケスケの下心には当然目を瞑る事も出来るでしょう。

ただ問題として残るのは
「どうでも良いけどさ、
　悩み相談の回答、うすすぎるやん」
という件であるとお察しします。

勘の良い皆さんならお気付きでしょう。

男は悩み相談に乗るのが下手くそです。

「君のために歌うよ」
なんて突然言われて、下手くそな弾き語りを聴かされ「うわぁ～・・・」って絶句とともに全身鳥肌状態になる、あの絶望感ありますよね？

僕ら男の相談の回答もアレと同じなんです。
「はいはい、そうですね」
って感じで相手は途中から聞く気にもなれず、全く心に響いていません。

だから逆に、相談上手な男には価値があるんです。特別なイケメンじゃない僕ら「モブ男」の間に生じるモテ方の差は、結局こういう所なんですよ。

「かゆい所に手が届く」
そんな男になって、女性の心をワシ掴みにしちゃいましょう！


まず、どうして男はこんなに悩み相談に乗るのが下手くそなのか。

それは「カッコつけだから」

「気の利いたアドバイスを言いたい」
「他の男とひと味違うところを見せたい」

男の脳内ではこんな感情がうごめきます。

男性の皆さん、安心してください。
みんな同じです。
みんなあなたと同じ事を考えるんです。

その結果あなたの考えた「他の男とひと味違う回答」は女性にとって、他の男と同じ「良くあるつまらないアドバイス」になっちゃっているのです。

でも男はなぜか
「オレ今日、良いアドバイスしてやった」
という的外れな満足感をいだく。

そして後日、上手く行かない相手に対してこう言うんです。
「ほら、オレの言った通りにしないから」

こんな経験ありませんか？

よく考えてみてください。
相手はこう思ってます。

「言われた通りするわけねーだろ！！」

てめぇの人生じゃねぇんだよ！
こっちは困ってんだよ。
そんな他人からの「あるあるのアドバイス」を本気で実行すると思ってたのか？

これがモテない男のメカニズムです。

悩み相談ってのは、もっと根本的なところから考える必要があるんですよ。

それは「そもそも悩みとは何か？」という事。
すごく大切な事を言います。

複数の問題がこんがらがった状態

これが「悩み」の正体です。

例えば「失恋」の悩み。
離れたくない
別れたくないって言い出せない
他に好きな人もいない

例え表面的な問題がこの3つだけとしても、離れたくないのはなぜか、言い出せないのはなぜか、といったところまで掘り下げると膨大な数の「些細な問題」が含まれてる。

それがこんがらがると、失恋の悩みが「将来への絶望」「自分という人間の価値」といった巨大な悩みに変換されてしまう。

１つ１つは小さな問題でも、それがこんがらがっちゃうと僕らは悩むんです。

そしてこんがらがっちゃうから身動きがとれなくなる。

安っぽい内容のビジネス書なんて、結論はだいたい「とにかく動け」

成功者や流行りのインフルエンサーもだいたいみんなドヤ顔で言う。「秒で動け」

それに感化されたバカな男も言う。
「オレの言う通りに動けば解決する」

相談者は思う。
「動けねーから悩んでんだよ！」

そう、動けなくなっちゃうんだ。

悩みとは「複数の問題がこんがらがった状態」だから、そもそも解決なんて出来ないんだよ。

アドバイスってのは「複数ある些細な問題の１つへの対策案」であって、悩みそのものの解決にはならないんだよね。

じゃあ僕らがしてあげられる事は何？

それは「共感」してあげること。

これは賛同してあげるって意味じゃ無い。

相手とは違う意見をぶつけ合ったとしても、自分も相手の立場に立ってグサグサと同じ痛みを感じながら考えてあげるということ。

相手と同じ温度の風呂に
一緒に入ってあげること

どんなに良いアドバイスであっても「冷房の効いた安全な場所」から、上から目線の言葉を投げかける事に何の意味がある？

そんなのは自分と無関係の他人の悩みと思ってるから出来るんだよ

本気で悩んでる時に「前向きに考えろ」と言われて「よし！」となる人なんていない。
そんな人はそもそも悩んでない。

同じ温度の風呂に一緒に入って
同じ感情を味わいながら
こんがらがっちゃった問題を
一緒にほどいていってあげる

勘違いしちゃいけないのは、この「ほどく」という作業も僕らは「協力」しか出来ないってこと。

最終的に悩みの糸をほどく事が出来るのは、悩んでる本人だけなんだよね。

僕らがしなくちゃいけないのは、空っぽになるまで汚水を吐き出させてあげること。

ついアドバイスしちゃう男は、
「100の悩みを0にして解決してあげる」
って考えがちだけど、それは過信しすぎ。

そもそも僕らに他人の悩みを解決してあげる力なんてありません。

「100の悩みを自分が協力して50ぐらいに軽減してあげられないだろうか」
これが悩み相談のあるべき姿ではないでしょうか？

つまり

悩みは解決出来ないけど、軽減は出来る

同じ痛みを共感しながら本気で話を聞いてあげて、相手の頭の中のモヤモヤを言語化して吐き出すお手伝いをしてあげる

これが「正しい悩み相談の乗り方」です。

相手の正直な本音を洗いざらい吐き出してもらって、それをテーブルの上にぶちまける。
そこから問題となる何かを一緒に見つけ出して
一つずつ並べていく。

悩みを「些細な問題」に分解していってあげる。そこで初めて相手は少し動けるようになってくる

あなたのアドバイスが生きてくるのはその後です

悩みのないまま生きる人間はいません。
僕もあなたもきっと何かに悩む時がある。
「どうせ誰に相談しても意味がない」
そう思いながら生きていくのは大変です。

悩みは夜の闇に紛れ込むと、巨大化された絶望を連れてくる。
小さな悩みが死を招く事だってある。
悩みとはそれぐらい恐ろしいもの。

だけどもしも世の中の全員が他人の悩みと本気で向き合い「下心の無い相談上手」になれたとしたらどうですか？

もっと気軽に相談できて
この世界が今よりもっと生きやすくなる
そして皆がもっと幸せを感じられる

僕は心からそう思うのです。

そんな未来を夢見て、今回の講義を終了ささていただきます。

今回、講師は「下心がない」でお馴染みのカジノが担当させていただきました。
ご静聴ありがとうございました！


さて女性の皆さん、今回の講義はいかがでしたか？

最後にとても大切なお知らせがあります。

「今回の講義内容はどうだったか」
が非常に気になって、カジノはマリアナ海溝よりも深く悩んでおります。

同じ温度のお風呂に一緒に入ろうよ
いっぱいほぐしてあげるよー

って方は挙手をお願いします！！

静かな場所で一緒にお風呂に入りましょう。