僕には霊感がない。
だから理解が出来ない。

その結果、霊感が強いという人を僕は
「自称 霊感が強い人」
とカテゴライズする習性がある。

これは霊感が強い人を否定している訳じゃない。
むしろ僕は「自称 霊感が強い人」が結構好きだ。
幽霊、超常現象、UFO、謎の宗教団体、そして心霊体験。

少なくとも僕よりも僕の知らない世界に足を踏み入れている事は確かだから。

それだけに！それだけにね、残念なんです。
霊感が無い側として残念なのは、霊がどうこうとかじゃない。

「自称 霊感が強い人」の話があまり面白くない

ただそれだけ！

これってもったいなくない？？
白い服を着た女とかおかっぱの女の子とか飽きたよ。

「あ、ちょっと待って・・・
私・・・霊感強いんだけど・・・
今ここ結構霊・・・いる・・・」

とかね、もう勘弁して。
何その霊感強い人特有の謎のジラシ方は！！

もっとこう斬新なのが欲しいんですよ、僕は。
斬新なの。
もっと放り込んでこいよ、バチっと！

と、まぁスピリチュアルな話には強気で対峙してきたんです。

でもね、たまにいるんですモンスターが。
とてつもなく僕の心をくすぐるエピソードを語るやつが。

そして僕はついに出会いました。
霊感モンスターは意外なところに潜んでいたのです。


うちの会社は規模が大きくて情報管理にうるさいので顔と名前が一致しない顔見知り程度の同僚が結構いる。
入社10年近くなるけど社員の半分ぐらいしか名前を知らないという職場なんです。

彼は41歳でPさんと呼ばれている。
某ジャニーズアイドルと同じ苗字というだけでヤ◯ピーと呼ばれ、最終的にPさんになったという逸話を持つ。
彼は異常に仕事が出来ないと評判で一部で「レジェンド」という肩書きまで欲しいままにしている天然さんである。

そんなPさんと先日社員食堂で隣になった。

「僕ねー、霊感めちゃ強いねん」

はいはい、始まったよ。
よくある霊感強いカミングアウト。

P「金縛りも結構かかるねん」
僕「あ、そーなんですか(棒)
今まで何回ぐらいなりました？」

P「うーん、ちゃんと数えてないけど・・・
僕「あー、はいはい・・・

P「1000回ちょっとかなぁ」

・・・え？

何それ？？
金縛りに1000回あったの？
1年365日だから41年中の3年ほどは金縛り！？
しかも1000回ちょっとのちょっとって何！？

ここで僕のハートはPさんに釘付けだ。

この金縛りの話もなかなか面白いんだけど。
そしてその後、心霊体験の話になりそこでまた僕は彼にハートを奪われる事になる。

僕「今までにどんな心霊体験されました？

幽霊を見たとか？
トイレで女の子がいたとか？
まぁそんなもんですよね。

P「うーん、何かあったかなぁ。。。
あ、そうそう
死の列車に乗りました

え、なにそれ？
し、死の列車！？

全く予期していなかった斬新すぎるエピソードに僕の心は高鳴る。

P「20歳の時にね。心斎橋から地下鉄乗ったら、混んでてんけどね。ちょうど爺さんが席を立ってラッキーと思って座ってん。んでウォークマン聴きながら目をつぶってたら・・・

そしてこの話が本当に面白くて
小説に出来るんじゃない？
って出来なんです。

たまにこういうモンスターが潜んでいるから
「自称 霊感が強い人」好きはやめられないんですよね。

長くなったので金縛り、死の列車についてはまた機会があれば書かせてもらいます。