旅
物事には始まりと終わりがある
人生という名の問題に対して、
完成という名の解答が常にあると思っていた
時が経つにつれて、完成の中身が変転した
幸福から平和に変わった
愛だったことも、復讐だったこともある
結局のところ今は死だ
始まりと終わりは一瞬にして過ぎ去るくせに、
人生は果てしない旅にして、膨大な道草だ
「旅」なんてものは楽しいものでも格好のよいものでもない
「非日常」を楽しめるうちは、自分の立ち位置が「日常」のままだ
しなければならない旅をする者にしてみれば、日常は常に死に瀕している
死神を伴わない旅は単なる遊戯に過ぎない