尽心力
30代後半  埼玉県
2022/12/11 7:56
尽心力





この世に生まれてきて幸せを掴むことは、人として当然の権利であると私は言いたい

現実には様々な要因に依って必ずしも幸せに生きることができない世界に在って、せめて自分で自分の幸せを堰き止めるような生き方をしてはならないとも言いたい


日本国に生まれ日本人として今日まで生きてきた 基本的に貧乏のままではあるが今日に到るまで物質的に困窮したことは殆どなかった 豊かな国であることは間違いない たとえ今この豊かさに翳りが見えているとしても世界的にこれほど豊かな国はそうはないだろう

しかしその反面これほど生きづらい国もない もう長いこと、年間少なくとも2万人から3万人の国民が自死を選んでいるという動かし難い事実がある そのなかには若者が少なくないということも忘れてはならない 子供や若者は国家にとって宝である 国家の未来そのものであるというにもかかわらず、日本政府は未来を育むどころか搾り取っている 当然の結果人口は激減した 二十年後には人口の半分が独身者となり高齢者を上回るという統計が出ている


誰でも自分の子供の幸せを願わない親はいないというが、私はそれを詭弁だと思っている

一体、猫でも犬でも母親は命がけで子供を産み育てるものであるが、我々人間にはそれすらできなくなってきている 要因は様々だ 生活が苦しく自分一人生きていくだけで精一杯であり、配偶者に恵まれないとか、そもそも子供を作る気がないとか、時代や政治に原因を求めることができるケースはまだよいとしても、折角生まれてきても無事生まれ育つことができない子供たちがどれほどいるのかという問題は深刻を極める

無事に産み育てることができてもそれで十分ではない 自分の子供の幸せを願い、そのために心を尽くし続ける人間は殆どいない 法治国家に生きる以上社会福祉と教育とを無視して育児をすることは不可避であろう それにもかかわらず国政を他人事の人気投票としか認識できていない大人があまりにも多すぎる 我々が生きる社会とは紛れもない人工物である 人間は権力を握ることに慣れてくると必ずや搾取を加速させるものである 我々大人は未来の世代のために生きやすい社会を作らねばならない そのためには心を尽くして学び続ける義務があるのではないだろうか 漫然と年老いて寝たきりになるだけが人生であろうはずがない 


偏見を交えてここまで述べたが、どんな国に生まれてきても幸せを感じて生きることができないわけではないらしい 南米のとある国は、我が国よりも犯罪率が高く物資に恵まれず明らかに貧しい それにもかかわらず幸福を感じて生きている人が我が国よりも遥かに多いという調査結果が出たというのだから


何が幸せかは人それぞれに様々であろう しかし今周囲を見渡してみると心の底から幸せを謳歌している大人など容易に見つからない 無論、人の心の中までは目に見ることができないものである しかし子供たちは違う その時々の楽しさや悲しさを隠すことなく全身を以て生きている 彼らが元気に遊ぶ様子を見つめていると、このまま何もせずにいられないなと胸の滾る思いがする

歴史を省みるとパンデミックが始まると必ず世界のどこかで戦争が始まっている 人間の愚かさは留まるところを知らないが、あらゆる不幸の原因を自分の外であるところの時勢や政治に求めるだけが能ではない

一人でも多くの人が心を尽して生きるのならば、時代の突破口は必ずや現れる これを信じて今日も進む








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