ある朝のこと
自分は昔一度だけ「いのちの電話」にかけたことがある
ある朝突然、寝床から起き上がれなくなった 自分なりに手は尽くしてきたが、もう終わらせたいと思った 今思えば通院していたにもかかわらず、軽症うつ病がいつのまにか重症化していたのだろう 思考能力が著しく低下していた
自分のなかで腹は決めたが、先日自殺した芸能人のニュースの下に「いのちの電話」という欄を見つけた 何を話していいか全く分からなかったが、もしかしたら自分を止めてくれるかもしれないとかけることにした 電話はつながらなかった
今この瞬間にも希死念慮に駆られて「いのちの電話」に縋る人がどれほどいるのだろうか その電話を受ける人たちは一体どのような気持ちで電話を受けるのだろうか そもそも「いのちの電話」なんか存在していないのかもと一瞬想像が過った ともあれ再びかけようとはしなかった
死のうとする人の言葉を受ける人たちがどのような思いで電話を受けるのかが気にかかった それは謂わば自分のなかにほんの一欠片残った思い遣りだった 死を決意しても他人に対する思い遣りがほんの一粒あった それが自分を引き止めたのだろう
その日は会社に連絡してそのまま起き上がらず寝て過ごした
コメント
2023/07/16 9:00
2. >>1 モエさん
あれがボランティアとは、常軌を逸しているのでは?(・・;)
彼らに何があったのか、そのほうが気にかかってしまうわい!
返コメ
2023/07/16 8:37
1. いのちの電話を受ける人たちはたしかボランティア。
研修受講料とか交通費とかすべて自腹だったはず。
本当に頭が下がるよね。
返コメ