冬の夜に　　
ズボン破れて
自暴自棄　　



昨晩、仕事中にズボンが破れた

飛び出した釘が尻の部分に引っかかったことが原因

外での作業の俺にとって服が破れてしまうことは死に値する

破れた部分から冷たい空気が入ってきて動く度に尻から股にかけて冷たい空気がスースーと入ってくる

履き替えるズボンなど持っていない



我慢して　
作業続けて
タマ縮む　



冷たくなったタマは見る見るうちに縮んでいく

いつも呑気でビロロ～ンとしているタマが干からびて寂しそうな里芋になっていた

しかし、泣き言も言ってられないので作業を続ける

我慢をして数時間が経過…

あと少しで帰れる


普段は閉まっているはずの店の門が開いていたので閉めに行くと門の前に犬のフンが落ちていた

散歩中の犬がしていったのだろうか…

飼い主が始末をしないまま帰っていったのだろうか…

もしそうなら非常識な飼い主である

人の店の門の中央で犬にフンをさせるなど言語道断スットコドッコイおっぺけぺーの鳩ポッポ

怒りますよクルックー


そのままにしておこうと思ったが誰かが片付けなければならない…

俺が第一発見者…

掃除道具を持って門へ向かう

なんで俺がこんなことしなくちゃイケないんだ…
飼い主を見つけたら思いっきり説教してやる…

たとえ相手が蓮舫でもだ
思いっきり『１位じゃないとダメなんです』言ってやる

人間ランク最下位の俺に言われるんだから相当こたえるだろう…

そんなことを考えながら掃除を開始

ホウキとチリトリでフンの片付け開始

作業は意外と簡単に終わった

フンはゴロンと転がってチリトリの中に入ってくれた

この寒さでフンも固くなっていたのだろう…

さて…次はこのフンをどこに始末するか

ゴミ箱に捨てるワケにもいかない…

外のトイレに流すことに決めた俺はトイレへと向かった

便器にフンを入れて水を流そうとした時、俺はあることに気付く



勘違い　　　　
クソではなくて
サツマイモ　　



犬のフンだと思っていたのは細くて小さなサツマイモだった


サツマイモなど当然トイレに流せるワケなどない…


便器に落としたサツマイモ…

寂しそうなサツマイモ…

誰もいないトイレで便器に落としたサツマイモをトイレ専用掃除道具で拾う俺…


尻に貼り付けたガムテープの隙間から入る冷気が更に冷たく感じた冬の夜だった


ヒロシ