マサシ(仮名)
地元のスーパーで買い物している途中で見るからに怪しげな男に声をかけられた
『久しぶり』と声をかけてきた怪しげな男
やせ細った体で無精ヒゲ
しかもブサイク
ブサイクな友達はたくさんいるが、ブサイクにチョッピリ下品な顔を足したこの男に見覚えは無い
灼熱の砂漠を4日間水なしでひたすら歩き続けた瀕死のラクダのような顔
もしかしたら知り合いでもないのに知り合いのフリをして俺に近づいてきた怪しげな宗教の勧誘やマルチな商法の勧誘かもしれない
警戒心の強いひ弱なバンビちゃんの俺はジッとヤツを睨みつけ『誰だ?オメエは?』とお上品に返事をする
『俺だよ、俺…マサシだよ…』
男の正体は過去の面影が全く見当たらない同級生のマサシであった
病的に太っていたはずのマサシの体が病的に痩せ細っていたので気付くわけがない
しかし…何故マサシがここにいるのだろう…
確かヤツは…ある事情から地元にいれなくなったはず
店を出てゆっくり話したいところであるが、時間がないので店のレシートの裏に俺の連絡先を書き、マサシに渡す
マサシと別れた後、友達のKに電話をしてマサシと会ったことを伝えるとKは大笑いしながら俺に言った
『マサシ?プッ……アイツすげえ痩せてただろ?あの馬鹿、女にフラれてヤケクソになって傷心旅行に行ったはいいけど、旅先で身ぐるみ全部盗まれて帰ってきてよ、更にヘコんで家で引きこもってたら親父さんに家追い出されて半分ホームレス状態でフラフラしてる時に詐欺師のジジイと知り合って一緒に詐欺まがいの仕事してたら警察に捕まってよ、実刑くらって少し前に出てきたけど不景気で仕事もなくて家でボーっとしてる時に変な宗教にハマって毎日よくわからん歌を大声で歌ってるらしいぞ、前にAが勧誘されたらしいし、危ないから関わらないほうがいいから連絡先だけは言わないほうがいいと思う…あっ、仕事だからまた電話するわ』
その情報
今更聞いても
遅いです
どうするんだよ…
マサシが来たらどうするんだよ…?
神様お願いです
マサシが勧誘に来ませんように…
この日記を書いている最中に見知らぬ電話番号から電話がありました
コワくて出れませんでした
誰か助けてください…
しばらく逃亡生活を余儀無くされた場合は日記にて報告させていただきます
それでは…
ヒロシより