涼しげな風が心地よい


家で１人でノンビリ過ごすのも悪くない。




電話が鳴る




仲間のＦからだ…



Ｆは突然、嫁さんの悪口を言い始めた。



俺の周りだけかもしれないが、

大概の既婚者は嫁や旦那の不満を言う。


独り者の俺にそれを話しても何も解決するとは思わないのだが、何故か聞かされる羽目になる。


仲間たちは話してスッキリするかもしれないが俺は何もスッキリしない。


愚痴の回数が重なれば重なるほど結婚に対する夢は遠のいていく



俺もあれだよな…結婚したらウザいとかキモいとか屁が臭いとか…最近マメ科の植物に似てきたとか嫁や子供に言われるんだろうな…



実の娘にパパの前世ピスタチオとか言われたら会社をリストラされるぐらいショックだろうな…


やっぱり結婚なんてしないほうがいいんじゃないかなと考えていたら腹が減ってきた…


買い物に出かける準備をする。

外に出ようとする


網戸が開かない。


力ずくで開けようとすると




キー！キー！キー！


と音が鳴る



その音はまるで猿山のボス猿が人間を威嚇する時の声に似ていた


網戸が発する嫌な音を無視して力ずくで何とか開ける


しかし、この網戸は一体何なんだろう…ついこの間までは外れてばかりだったのに今度は開かなくなってしまった。


なんとなく疑問を感じていると網戸が頭に倒れてきた。




　　　　　ガンッ





網戸を直し、出かけようとするとまた網戸が倒れる


ブツブツ言いながら元に戻す


これを４回繰り返す



俺は部屋のサッシは取り付けている網戸との相性が最悪なのかもしれない。


そんなことを考えながら車を走らせていた時、友人が言っていた言葉を思い出す。


問題と言うものは必ず原因がある。

原因を考えて行動すれば自然と問題も解決していく



なるほど…


帰宅した俺は網戸を外してサッシの溝の部分を掃除した。


すると網戸は綺麗に収まり不快な音もしなくなった。


満足げに網戸を見る俺


やはりキチンとした問題を追求すれば解決されるものだと思った。



笑顔の俺



顔面に倒れてくる網戸




　　　　　ガンッ







ダァーーー！！





空を舞う網戸は隣の家まで飛んで行った