ミッくんの自転車 ①
30代後半  新潟県
2010/07/14 23:24
ミッくんの自転車 ①
今日は休みだったので、昼間は部屋の掃除をしたりして過ごす。


夕方、食料品などの買い物を済ませた後、コンビニへ


店内で知り合いの子供が買い物をしていた。


知り合いの子供に声をかける。


名前はミッくん


確か小学5年か6年生


両親とも俺の知り合いで父親も母親も俺の先輩だが、2人とも数年前に離婚して今は母親と2人で暮らしている。


このミッくんの父親がとんでもないヤツで遊びで作った巨額の借金を抱えたまま他の女と何処かへ消えてしまった。


そんな父親を持つミッくんであるが、父親には全く似ていない礼儀正しい子供


俺が声をかけるとミッくんはい

つもと違う様子



なんか覇気がない…



歩く姿もトボトボしている。


なんとなく気になったが雑誌を買って店を出て車に乗る。


しばらくするとミッくんも店を出てきた。



うつむいてトボトボ歩いている

やっぱり気になる…


恋わずらいか?


マセたガキめ…



そんな話ならこの俺様にまかせなさい。





恋愛下手で有名だけどな



『元気ねえな…どうした?』


『なんでも…』


そう言うとミッくんはトボトボと歩いて行った。



この時、俺はあることに気づく…


いつもなら自転車に乗ってるはずなのに今日は何故か徒歩のミッくん


『自転車じゃないのか?』

そう聞くとミッくんはうなだれた顔で答えた


『昨日ね…誰かに盗まれちゃった…』


よほどショックだったのだろう…


自転車が盗まれた

よく聞く話である。


それでコンビニまで徒歩で買い物に来ていたのか…

かわいそうに思った俺はミッくんを車に乗せて家まで送ることにした。


家からコンビニまでの距離は約2キロ



ミッくんの家に着くと母親が家の前まで出てきた。


挨拶をする俺

『さっきミッくんから聞いたけど自転車盗まれちゃったらしいっすね…』



そう言うと先輩であるミッくんの母親が困った顔で言った。



『あの子必死になって買った自転車だったから…』

先輩(母親)からある事を聞く

離婚後、ミッくんの母親は昼も夜も働きながらミッくんを育てている。



そんな家庭状況を小さいなりに把握したミッくんは両親が離婚してから一度も母親に物をねだったことがないらしい。

~続く~
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