ミッくんの自転車 ③
俺は先輩(ミッくんの母親)にお願いを申し出る。
今から暗くなるまでミッくんを借りて一緒に自転車を探しに行きたいと申し出た。
先輩は今から夜の仕事
あと少しするとミッくんのお婆ちゃんが家に来るので、家にミッくんがいないとお婆ちゃんが心配するおそれがあるので俺と一緒にいることを連絡しておくとのこと
了解を得た
こうなれば即行動しかし2人では行動範囲も限られてしまう。
そう思った俺はパチンコ屋にいるであろう仲間のウス、ラバ、カー(仮名)の3人に連絡を入れる。
とにかく奴らが出るまで電話をかける。
やはり全員パチンコ屋にいた…
ウス、ラバ、カーの3人とクー、ズー(仮名)の2人もパチンコ屋にいたので理由を話し、一緒に来いと頼んだ。
ウス、カー、クー
『おう、やっちまおう!』
ズー
『まあ、とにかく落ち着いて探そうぜ…』
やけに穏やかなズー
だが他の連中は妙に殺気立っている…
ズーを除く全員、パチンコで相当負けたんだろう…
そんな気がしてならなかった…
とりあえず自転車の特徴や色などを聞いた俺達はそれらしき自転車を見つけたらスグに連絡を入れる約束をして各方面へ移動する。
数分後、軽自動車1台に乗り、ウスはミッくんと一緒に行動
1時間が経過
それらしき自転車を見かける度に連絡を入れ、 ウスとミッくんが車でやって来て確認するがミッくんの自転車はその中にはなかった。
やがて日も沈み、辺りは暗くなってきた。
ミッくんのお婆ちゃんが心配するとイケないのでミッくんを家まで送る。
俺達に御礼を言って家に帰るミッくん口元は笑顔だったが目は少し寂しそうだった。
ミッくんが帰った後も俺達は自転車を探したが、それらしい自転車は見つからなかった…
諦めかけた頃、ウスが俺達に話した。
実はミッくん、父親に虐待されていたらしい。
それでもミッくんは父親のことが好きでウスの子供に時々、父親の自慢をしていたらしい。
俺とウスは幼少期に虐待を受けた経験がある。
当時の事を思い出すと俺達には嫌な気持ちと恨みしか残っていない。
でもミッくんは俺達みたいに腐らずに真っ直ぐに頑張ってる。
遥か年上の俺達がミッくんにおしえられている気がした。
疲れもピークに達していたが、そんな愚痴は誰もこぼさず探したが結局、自転車は見つからなかった
~続く~