朝９時



あまりの暑さに家から出ることを拒否する根性無しの体




外は暑くても股間はモーニングフィーバー




部屋を締め切ってエアコンを最強にして自らを監禁状態にして外気を遮断する



しばらく監禁状態でモーニングフィーバーのままゴロゴロしていたが腹が減ったので嫌々部屋から出る







台所で食べ物を物色するが、野生動物が食べ散らかした様な野菜の残骸しか無いのでスーパーまで買い物へ行くことを決める





そしてスーパーに到着





買い物カゴを持って野菜売り場をウロウロしていると二種類の椎茸を発見した







片方は１００円

片方は１２０円







見た目も大きさもほぼ同じなのに何故か２０円の差がある２種類の椎茸




たまたま隣で商品を陳列していた店員に何気なく質問する




『この椎茸の値段の違いって何？』





『原木栽培と菌床栽培の違いです』と答える店員








ゲンボクとキンドコの違い…











原木はわかる










…キンドコって何だよ？






後から菌床の意味に気付いたが、この時に俺の頭の中に菌床と言う漢字は思い浮かんでこなかった





何故かよくわからないが菌床の代わりに欽ドコと言う文字が思い浮かんでいた




※欽ドコ
今から約２０年ほど前に放映していた萩本欽一の番組【欽ちゃんのどこまでやるの】

欽ドコと言う通称でお茶の間で親しまれていた







欽ちゃん…？











いや、いや、いや…





そんなことない…





萩本欽一と椎茸には何一つ関連性がない




答えてくれた店員に萩本欽一と何か関連性が…？
などと聞けない







キンドコ…

キンドコ…






そんな欽ちゃんファミリー的な種類の椎茸が気になって…気になって…






店員は気づいていないだろう…








陳列をしている隣の客が椎茸を見ながら萩本欽一を思い浮かべていることを…






陳列している店員にまた近づき椎茸を指差して質問する。














『ズンドコ？』
『菌床です』









キンドコの意味こそわからないが、試合には負けたけど勝負には勝った気持ちになった俺はそそくさと立ち去る






椎茸は買わずにノリタマを買って家に帰った‥


ヒロシ