大きな十円玉
これは昭和の時代
障害をもって産まれた女のコの実話で
『心に残る話』みたいなタイトルの本で
私が心に残った話です。
知的障害で産まれた女のコ。
小学校就学時、通える範囲に養護学校はなく
お母さんは遠くの町の全寮制の養護学校に入学させることにした。
勉強も順調に進み数字の学習に入った時
女のコはつまづいてしまった。
10と500なら10の方が大きいと言ってきかない女のコ。
先生が10円玉と500円札を出して
『コッチ(500円札)の方が、お菓子を沢山買えるよ。さぁ、どっちが大きい?』
それでも女のコは10円玉を指差した。
『どぅしてコッチ(10円玉)の方が大きいと思うのかな?』
先生が女のコに聞いてみると女のコはこう答えた。
『お母さんの声が聞けるから。』
携帯電話もテレカも無かった当時
離れて暮らすお母さんの声が聞ける10円玉は
沢山のお菓子より大きかったのですね。
ワクワクメール内の日記で、この話にオヒレハヒレくっつけて書かれた物も見かけましたが、これが原型です。