3,000円
50代後半  東京都
2011/11/30 19:52
3,000円
仕事柄、色々な業界の方に会います。自分の仕事はエンドユーザー(消費者)と直接接することが無く、メーカーさん相手の場合がほとんどなので、特に個人のお客様と接している仕事をしている方との話は新鮮で興味深いのです。
個人相手の仕事といっても様々な業種があります。各家電メーカーや自動車、果てはコンビニまで…。ここ最近、様々な業種の人から「3000円台」という話をよく耳にするようになりました。
出版や外食産業、そしてDVDメーカーやマニアックなフィギュアモデルを製造販売するメーカー…結構な業種の人々が「3000円限界説」を唱えるのです。
つまり「3000円(代)を超すモノは売れない」と。
たとえば出版物。実は出版物の元になる紙は5年前に比べると3割以上値上がりしているとか(しかも震災で原料となるパルプが津波で流されてしまい、一時期製紙業界はパニック状態になりました)。
当然それは販売価格にも跳ね返ります。反面、たとえばアイドルの写真集でも料理のレシピブックでもそうですが、今ではフルカラー印刷が常識になりました。最低でも2色刷りで、単色印刷など小説や新書くらいでしかお目にかかれません。
それに加えてこの出版不況の折、広告出稿料も減っている。ウチの会社もある業界誌に広告を出していますが、90年代に比べても価格が安くなっている雑誌を多く見かけます。

これらの要因は全て販売価格に影響を及ぼします。

広告がルール上載せられない写真集などは全て2000円台と高価にも関わらず、総ページ数は96程度しかない。当然、写真は多く撮っているから材料はある。でもそれらを沢山載せて豪華な内容にしても、販売価格3000円を超えると途端に販売部数が落ちるそうです。
高いと売れない、かといって印刷の質(紙質など)を落とすわけにもいかない(実は紙質を変えてもそれほど価格に反映されないのだとか)。ギリギリのコストを算出して価格決定をしているにも関わらず、一方で消費者サイドでは「こんな薄くて2800円は高い」と思われることも多々ある――かくして、負の連鎖構造が出来上がりますます発行部数が伸びなくなる(売れなくなる)。

紙媒体に代わって注目されている電子出版も、テレビなどでは「進化した媒体」として紹介されていますが、まだまだ権利関係的に処理しなくてはならない問題も多く(たとえば電子出版の場合、雑誌と違って写真をクリックすると違うアングルの写真を見ることが出来たりするが、その2枚目以降の写真の権利料は幾らになるのか?等々)、しかもそのイメージ上「紙媒体より必ず安く売らなくてはならない」ので、まだまだインフラ整備にすら至っていない状況なのだとか。

先日、amazonが各出版社に電子出版に関する権利関係の提案があまりにも理不尽な要求で、日本の各出版社が激怒しているという報道がありました。
http://blogos.com/article/23880/
これは日本と欧米の権利、契約に関する考え方の違いも大きいとは思います。
出版業界は日本語で作られている以上、外資や外国人労働者などの「黒船」に晒されない最後の牙城と、外側にいる私などは見ていましたが、色々な話を総合するとこれからドラスティックに変わりそうな印象です。

※字数がオーバーしそうなので他の業界に関してはまた。
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コメント

50代後半  東京都

2011/11/30 21:54

2. >美波さん

こんばんは。自分で支払うことを考えると、確かにワインやお酒も3,000円超えるとちょっと考えちゃいますね。
この前、モエ・エ・シャンドンのロゼがコストコで4500円くらいで売ってて、相場に比べたら格安なのに買いませんでした(け、決して買えなかった訳じゃないですよッ!)

菜穂[退]
30代前半  宮城県

2011/11/30 21:23

1. ボージョレーヌーボーも3000円超えると買う気がしなかった[わーい(嬉しい顔)]
あっ[あせあせ(飛び散る汗)]ちょっと違うかな[わーい(嬉しい顔)]

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