天国までの百マイル、回顧録3……そんなオババの独り言[涙]
30代前半  兵庫県
2010/10/24 6:39
天国までの百マイル、回顧録3……そんなオババの独り言[涙]
長くなったな。



だいぶ端折ってるねんけど。




電車を乗り継ぎ、やがて単線のローカル線の終点である海辺の町に着いた。


駅には人の良さそうな夫婦が迎えに来てくれていた。


『事情は聞いてるから安心しなさい』


膝から力が抜け、座り込んでしまった。


もう殴られない

もう食事もちゃんと出来る

お風呂だって入れる

殺されるか心配しなくても良い



迎えに来てくれた人の家で久しぶりの温かい食事をし


ゆっくりとお風呂に入り


何年ぶりかに熟睡した。



翌朝、電話のベルで目が覚めた。


電話に出た奥さんが青くなっている。


『出せこの野郎、お前も殺すぞ』


受話器からもれ聞こえるクソオヤジの声……


何故バレたんだ。


原因は宅急便だった。


クソオヤジの知り合いが集荷所に居り、オバサンの車に乗っていたワタクシを見かけていたのだ。


旦那さんが替わり、電話の向こうで喚き散らすクソオヤジに


『この子に何かしてみろ、俺は手加減しねぇぞ』


そう啖呵を切り受話器を置いた。


旦那さんは板金屋を経営する傍ら、漁船を所有し荒らくれ漁師を束ねているとのこと。


『大丈夫だよ、あいつは小物だ。心配するな』


『そうよ、私達が味方だから』



そう言われても身体に染み込んでいる恐怖心は完全には拭えなかった。


でも、決めたんだ。


1人でも頑張るって。


アパートを見つけ、仕事も見つけ新しい生活が始まった。


学校も夜間高校に新入学ではなく、編入学が出来た。


クソオヤジが退学届けを出していたが、前の学校の学年主任が尽力してくれたのだ。


16歳と半年……心細く無いわけがない。


いつ、アパートを突き止められ殺されるか……


夜眠る時も、きちんと服を着て靴も履き


貴重品を入れたカバンをしっかりと抱きしめ


枕の下には包丁を忍ばせ眠っていた。



様々な人と出会い、助けられ支えられ


どうにか卒業までこぎつけた


1度アパートに踏み込まれたが、その1週間前には別の場所に移っていた。


そして、都会ならば人混みに紛れれば見付かりにくいと判断し


3年間、見守り続けてくれた人達に別れを告げた。





都会の生活は肌に合ったみたいで、その後は少しずつ


【自分の人生は自分の物】


そう思い生きていける様になった。



数年後、風の噂で母が離婚した事を知った。


クソオヤジの本性を察知し始めた人々が母を守ってくれていた。


何年ぶりかに再会した姉は


知らぬ間に結婚し


知らぬ間に出産し


知らぬ間にバツイチ


になっていた。


小さな姪っ子は無邪気にワタクシに懐き


幸せな時間が戻って来たと思っていた。


母の離婚の条件は


『借金をすべて払えば』


だったそう。


1つの商売を潰したのだ……


半端な金額では無い。


幸い……と言うかワタクシ超高級クラブで売れっ子になってました。


昼はOL、夜はクラブ勤め……


昼職を辞め、夜の仕事1本に絞り


数年後、完済しました。


もぉこれで完全に自由だ……


心療内科に通う日々は続いてはいたけど


無意識に切った手首の傷は今も消えないけれど



【天国までの百マイル】



の主人公の台詞が胸に響いた。


『ひどい人生だけど悪い人生ではない』


『ろくでもない人間だけど、ひとでなしな人間ではない』



幸い神様に嫌われてるワタクシ(笑)


まだ天国の入り口を通過させてはもらえないみたいだから。



もう少し……


今度は自分が……


困ってる人を助けられる人間に


見返りを求めない優しさを与えられる人間に


いつも、どんな時でも


しなやかな


強い風に吹かれても


折れない人間に


そうなれる様に、生きていきます。



ワタクシを助け、見守ってくれたすべての人達に


ありがとう[!!]



終わり。
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コメント

30代前半  兵庫県

2010/10/24 8:17

8. >貧乏じぃじさん

これはこれは[うれしい顔][手(パー)]

勢いに任せて書いちゃってオババ日記好きな皆様にはどん引きされるかも[たらーっ(汗)]

たまには良いかぁ[冷や汗]

60代前半  東京都

2010/10/24 8:10

7. 
日記徘徊中に見たことあるハンネ[!?]

日記読ませてもらいました

人に誇れる人生を歩んでぎましたね

貴方の人生に拍手[手(パー)]

30代前半  兵庫県

2010/10/24 7:37

6. >寅次郎さん

先ずはダイエットかしら[!?](笑)

あの頃よりはマシ[exclamation]

ウチは生かされてる[exclamation]

そう思うと多少の事なら頑張れる[ウィンク][手(チョキ)]

30代前半  兵庫県

2010/10/24 7:34

5. >銀狐さん

ありがとう[ウィンク][手(パー)]

ウチを支えてくれたすべての人達が居たから……

恩返し頑張らなきゃ[グッド(上向き矢印)]

50代前半  兵庫県

2010/10/24 7:33

4. おはようございます。

そう簡単に、天国への階段は登らせてくれませんよ、その人の寿命以外で登ろうとしたら相当の意志力が要ると思います。

まだ登れないと云う事は、「何かを成す為に、生かされている。」と云う事だと思いますよ。

せらぴ~さんのこれからに、幸多い事を願います。

30代前半  兵庫県

2010/10/24 7:32

3. >なんだかんださん

ありがとう[涙]

逆から読んだら理解が難しかったでしょ(笑)

こんな人生だったから、お節介オババが出来上がりました[あっかんべー][手(チョキ)]

50代半ば  兵庫県

2010/10/24 7:22

2. [泣き顔] 泣いちゃったよ、 紳士面して非人間的なクソもいる[むかっ(怒り)] 見返りを求めず善意を施す人もいる、 … 貴女の人生に幸多かれと (__)

40代後半  神奈川県

2010/10/24 7:13

1. 回顧録3,2,1と順番逆ですが読んでいると引き込まれている自分がいました 大変な幼少期でしたね セラピーさんの頑張りと回りの人達の心の支えに感動しました 自分も人に感謝していける人になりたいです

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