ねこの世界展
40代後半  愛知県
2017/07/17 20:11
ねこの世界展
私は、猫が大好物である。


大好物だと言っても、そこら辺の野良猫を生け捕りにして、煮たり焼いたり蒸したりして、食べるわけではない。


当然ながら、「私は猫が大好きだ!」という意味である。


現在、豊橋市の二川宿本陣資料館では、『浮世絵 ねこの世界展』が開催されている。


【I like cats】の私は居ても立ってもいられず、ネコのごとく四つ足となりそのままの体勢で、二川まで疾走した!


昨日は、当展覧会のイベントとして『浮世絵の猫ブーム』と題する、記念講演会が催された。


講師は、国際浮世絵学会の常任理事を務める稲垣進一先生。


講演を拝聴したのちに、猫の浮世絵をゆっくり鑑賞しようと思い、先ずは講演会場へと向かった。


この稲垣先生、ゆうに70歳は越えておられると見える。


開口一番、先生は「みなさん、こんにちニャン!」と、くだらない親父ギャグで爆笑をとったが、その後がイケない。


声が小さい上に、ボソボソとお話をするので、なかなか内容が聞き取りづらい。


最前列に陣取った私は、両耳に両手をあてがい、野々村竜太郎状態で先生のお話を伺った。


講演の内容を全て、ここに書くことなど出来ないので、その幾ばくかを記すにとどめておく。


ちょっと前までは、ネコの描かれた浮世絵など、専門家やコレクターのあいだでは、見向きもされなかったようだ。


ところが昨今は、猫の写真集がバカ売れしたり、ねこカフェが流行ったりと、空前のねこブームだ!


この時代の流れに合わすように、浮世絵の世界でも、ネコの描かれた絵が注目されるようになってきた。


近年、猫の絵で再評価されているのが、江戸時代の絵師「歌川国芳」である。


歌川国芳(うたがわ くによし)は、中国の古典文学『水滸伝』を題材にした『通俗水滸伝豪傑百八人』シリーズなどの武者絵で人気を博した絵師だ。


「武者絵の国芳」と呼ばれた彼は、無類の猫好きとしても知られ、ネコの絵を多く遺している。


国芳以外の絵師たちも、ネコの絵を描いてはいるが、それはあくまでも美人画の添え物として、ネコを描いているにすぎない。


国芳の猫絵は、人の添え物ではなく、猫そのものを主役として画題にしているのだ。


擬人化された国芳の猫たちは絵の中で、曲芸をしたり踊ったりと、様々なパフォーマンスを披露している。


これらの猫絵は、相当な猫好きでないと描けない絵であろう。


国芳の猫好きがうかがえる、エピソードが幾つかある。


〇自宅では、常に数匹から十数匹の猫を飼っていた。


〇懐に猫を2~3匹入れながら、絵を描いていた。


〇飼い猫が死ぬと回向院で葬り、自宅には、猫の戒名の書かれた位牌を飾るネコ専用の仏壇まであった。


もう、猫好きの鑑(かがみ)のような人である!



さて、講演会は80分の長きに及んだが、とてもお勉強になった。


先生、最後も親父ギャグでシメてくれた、「これで、おしまいだニャン!」と。


しかしながら、これは不発。


誰一人笑わないので、お気の毒であった。


このあと、歌川国芳や歌川国貞、安藤広重や渓斎英泉など、名だたる絵師たちが描くネコの絵をじっくりと鑑賞。



とっても、可愛かったニャン!



あれっ!?スベりましたか?


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