幸せのパンケーキ ~スイーツ十番勝負(8)~
名古屋・栄のガスビルの地下1階に、『幸せのパンケーキ』というお店がある。
開店は、午前10時だ。
私は10月8日の日曜日に、ここへ訪問した。
到着時刻は10時20分頃であったが、早くも店内は満席。
店の外壁へ沿うように置かれた、入店待ち用の椅子も、人と人と人ですべて埋まっている。
店外に設置されたモニターには【ただ今33組待ち 待ち時間の目安は135分】と表示されていた。
もちろん、ここで2時間以上も待つつもりはない!
店外には、受付番号の発券機が置かれているので、必要事項を入力して、券を入手した。
受付番号は、45番である。
券を手にした私は、『京(みやこ)のエンターテイナー 長沢芦雪展』を開催している愛知県美術館へと向かった。
展示作品の半分を鑑賞したところで、時刻を確認すると、0時少し過ぎ。
【あっ!?急がないと!!】
展覧会のチケットの裏側へ、今日の日付印を捺してもらい、再入場の手続きを済ませた私は、再び『 幸せのパンケーキ 』へと急いだ!
慌てて戻って来た私は、まずモニター画面を確認する。
ところがどうだ!モニターには、次の入店番号が57番となっているではないか!
私の受付番号は、45番であった。
すると私の番号など、とうに過ぎているワケだ!
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えっ!?コレって、受付番号の券を発行し直して、またぞろ何時間も待つの?
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もう一度モニター画面に目をやると、待ち時間の目安が、300分を越えていた。
私にとっては悲劇だが、端(はた)から見れば喜劇であろう。
【幸せのパンケーキ】どころか、こうなると【不幸せのパンケーキ】である。
もう、私の頭の中は真っ白だ!
とりあえず店員さんへ声をかけて事情を説明すると、即座に対応してくれて、無事入店することができた。
お一人様専用のカウンター席へと案内された私は、店と同じ名前の「幸せのパンケーキ」を注文。
パンケーキは1100円で、200円追加で飲み物が付く。
さらに100円追加で、アイスかホイップクリームのどちらかをトッピングできるので、私はホイップクリームをチョイスした。
注文を受けた後、粉から配合してメレンゲを立てるため、焼き上がりには20分以上はかかるという。
この長い待ち時間は、スフレ系パンケーキを頂くための避けがたい宿命である。
ここは、じっと我慢だ!
待つこと30分、やっとのことで、パンケーキがテーブルへと運ばれてきた。
白いお皿の上には、丸々と膨らんだ、お焼きの親分のようなパンケーキが、三ピース乗っている。
パンケーキの上には、バターに蜂蜜を混ぜたハニーバターが乗り、皿の縁(ふち)近くには、たっぷりのホイップクリームがパンケーキに寄り添っている。
ここへメイプルシロップを注いで、いざ実食!
一口大にナイフで切り分けて、口中へ放り込むと、瞬く間にパンケーキが舌の上で溶けていく。
コレは果たしてパンケーキなのか、はたまた半熟トロふわの高級オムレツなのか?
「当店のパンケーキは、世界一のふわふわ食感」というのが、この店の謳い文句なのだが、確かにその言葉に偽りはない!
メイプルシロップとハニーバターのみで充分、このパンケーキの美味しさが分かる。
もう、トッピングしたホイップクリームさえ無用に思えてしまう。
ボリュームのある見た目に反して、口どけの良い軽い食感なので、少食の女性であっても、たやすく完食できるはずだ。
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いやぁ~!今まで食べてきたパンケーキの中で、コイツが一番ウマいなぁー!
長いこと待った甲斐があったわ!
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是非ともリピートしたい、幸せな気分になれる絶品のパンケーキであった!
ごちそうさま!!