ピエール・マルコリーニ 【スイーツ十番勝負(9)】
以前、知り合いの女の子に、ピエール・マルコリーニのカフェについて、こんな話を聞いたことがある。
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あそこは、パフェが有名だけど、いつ行っても混んでるわよ。
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と……。
かねがね一度は行ってみたいとは思いながらも、【混雑】の二文字だけが強く記憶に残り、ついつい敬遠していたお店が、このピエール・マルコリーニである。
「ピエール・マルコリーニ」は、ゴディバと同じく、ベルギー生まれの高級チョコレート販売店だ。
名古屋には、ミッドランドスクエアの地下1階に、店舗がある。
人気店・有名店へ行く際は、【長い待ち時間】と【混雑】という、二つの難敵と対峙しなければならない。
だが、訪問する時間帯さえ間違えなければ、すんなりと入店できるとも言えよう!
ティータイムも終わり、ディナーにはまだまだ早いという時刻が狙い目であると考えて、私は日曜日の17時45分頃に、ここへお邪魔した。
一階は高級チョコレートや焼き菓子、そしてテイクアウト用のアイスを販売するフロアーで、二階がカフェになっている。
買うつもりは毛頭ないが、二階へ上がる前に、ちょいと冷やかしてみる。
ショーケースに並ぶチョコレートは、どれもこれも驚くほど高い!
中には、たった一粒で300円もするチョコレートすらある。
明治や森永のチョコレートで育った私としては、もうこのチョコレートは、ぼったくりにしか思えない。
グリコのキャラメルは、一粒で300メートルも走れるが、ピエール・マルコリーニのチョコレートは、一粒で300円も失ってしまうのだ!
貧乏性の私は、こう考えてしまう。
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一粒のチョコレートに300円も払うなら、コンビニでチロルチョコを15個買うわ!!
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と……。
女性同伴では、絶対に行きたくはないお店だ。
もし、連れの女の子が、「お土産でも買っていこうかなぁ~」なんて、ショーケースをのぞき始めたら、私は迷わずその子のミゾオチへ当身(あてみ)を食らわし、脱兎のごとく逃げ去るであろう。
さて二階のカフェへ行くと、先客が三組のみで、難なく席へ座ることができた。
店内は、照明を極力落とした、会員制の高級バーのような雰囲気である。
私は、「パフェ マリアージュ ~カフェオレアイスとホワイトチョコレートアイスにエスプレッソをかけて~」という、とても一息では言えそうもないパフェを注文した。
つまりこのスイーツ、アイスクリームやジェラートに飲料をかけて食べる、イタリアのデザート【アフォガート】と、同じ要領で食べるのだ。
お値段は、1620円也。
さほど待つ間もなく、パフェがやって来たので、つぶさに観察してみよう!
では、パフェグラスの底の方から順にご紹介。
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〇無糖のコーヒーゼリー
〇ブラマンジェ
〇ホワイトチョコレートのアイス
〇カフェオレのアイスとチョコアイス
〇印字入りの板チョコと網目入りの丸型チョコレート
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この冷たいパフェへ、人肌ほどの温もりのある、苦いエスプレッソコーヒーをかけて食す!
チョコ・カフェオレ・ホワイトチョコレート、この三種類のアイスクリームは、申し分のない美味しさだ!
特に、ノーマルなチョコのアイスが一番ウマい。
こうなると、「マルコリーニ チョコレートパフェ」という、人気定番メニューをたのむべきであったと、少し後悔する。
ブラマンジェ(砂糖・洋酒・バニラ・生クリームなどで味を付けた牛乳を、ゼラチンで固めた冷菓)は、ぷりぷりの食感で、アイスと非常に相性が良い。
最下層にある、甘みの無いコーヒーゼリーは、口直しにはもってこいだ!
苦味の強いエスプレッソが、甘くて冷たいアイスに程よくマッチする、大人のパフェであった。
ごちそうさま!!