シェ・シバタ 【スイーツ十番勝負(10)】
名古屋の覚王山日泰寺(かくおうざん にったいじ)の参道に、年季の入ったお好み焼き屋が一軒ある。
向かいの通りから、この店の左隣へ視線を移すと、瞬時にしてモンパルナスの一角へたどり着く。
モダンでお洒落なその外観は、パリ市街のどこかに有りそうなお店だ。
壁面看板には、『chez Sibata(シェ・シバタ)』とある。
そこは、日本と海外を含めて10店舗以上を展開する、“人気パティシエ”柴田武シェフの営む高級洋菓子店だ。
【chez 】はフランス語の前置詞で「~の店」とか「~の家」という意味。
平たく言ってしまえば、【柴田シェフのお店】ということになろう。
店内は、ケーキ・焼菓子・ショコラなどの販売エリアに、飲食のできるカフェが併設されている。
なかなかの人気店なので、ティータイムで混む時間帯を避け、16時少し前にお邪魔した。
ところがカフェは満席で、入店待ちのお客も一組ある。
自分の順番が来るまで、さほど広くはない販売エリアをぶらぶらと見て回る。
この間にも、ケーキを買い求めにくるお客が、次々とやって来た。
40分ほど経った頃、ようやく二人掛けのテーブル席へと案内される。
カフェでしか味わえない、オリジナルスイーツもあったのだが、今回はショーケースにずらりと並ぶケーキを頂くことにした。
一つは、店員さんオススメの『メープル・モンブラン』を、もう一つは私の好みで、『デリス・オ・マッチャ』というケーキを選ぶ。
飲み物は、アイスコーヒーを注文。
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〇【メープル・モンブラン】は、フランス産の栗と和栗を合わせ、カナダ産のメープルで仕上げた大人のモンブランで、税別650円。
〇【デリス・オ・マッチャ】は、西尾産の抹茶を使用し、ショコラ、ビターオレンジをレイヤード(積み重ねる、という意味)した、抹茶の旨みを存分に引き出したケーキで、税別550円。
〇アイスコーヒーは、税別460円。
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二つのケーキとアイスコーヒーで、お会計は、外税を含め1792円也。
では、【メープル・モンブラン】から実食!
円錐形をしたマロンクリームと、その頂にのるマロングラッセは、口にすると思わず頬の筋肉が緩む、上品な甘さだ。
マロンクリームをスプーンで掬っていくと、純白のミルククリームがその姿を現す。
今まで口にしてきたミルククリームとは、一味も二味も違う極旨のクリームだ。
このクリームには、中が空洞になっている軽い食感のクッキーが隠れていた。
スプーンでさらに掘りすすむと、チョコビス入りのマロンムースが出現し、最後には、ラム酒のよくきいたスポンジ生地へと行き着く。
一つのケーキに、幾つもの仕掛けが施されているのだ!
この畳み掛けるような味の波状攻撃のせいか、この一品だけで、もう十分に気持ちが満たされてしまう。
一品だけで満足感を得られるということは、それだけケーキ一つの完成度が高いという証だ!
“一球入魂”ならぬ“一品入魂”のケーキである。
次は、【デリス・オ・マッチャ】を頂いてみる。
このケーキは、板状の抹茶ショコラ・抹茶味のスポンジ・オレンジソース、この三つから成るミルフィーユだ。
味も食感も違う三種類の菓子を、何層にも積み重ねることにより、複雑な味わいを醸し出す。
ビターオレンジの酸味が、抹茶ショコラの甘さやクドさを程よく中和してくれる、とても味のバランスの良いケーキであった。
いやいや、シェ・シバタ恐るべし!!
美味しいケーキ、ごちそうさま。
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10店舗のスイーツ店と10品のスイーツが全て出揃いましたので、『スイーツ十番勝負』は、これにて終了。
お粗末さまでした。
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完
コメント
2017/10/15 21:30
2. >>1 ミカさん
こんばんは、コメントありがとうございます。
シェ・シバタのケーキは、本当に美味しいですよね!おそらく、塩キャラメルのエクレールだと思いますが、私もそのエクレアを食べてみたかったです。
返コメ
2017/10/15 21:07
1. 柴田の店、私も訪れた事あります!
日記のとは違うモンブランと、小さな四角いバターの乗ったエクレアを食べました。
丁寧に作られててほんと美味しかったー。
返コメ