濃厚生クリームのシフォンケーキ
40代後半  愛知県
2018/11/01 19:07
濃厚生クリームのシフォンケーキ
「アスナル金山」の2階に、『Mou Mou Cafe(モーモーカフェ)』という生クリームの専門店がある。



メニュー表に記載されていた一文をここで引用すると、モーモーカフェとは……

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いつも控えめで脇役な『生クリーム』が主役を演じるお店
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なのである。


さてその日は、17時頃にモーモーカフェへ到着したのだが、すでにお店の前には行列が出来ていた。


17時と言えば、午後のティータイムもそろそろ終わりを迎える刻限である。


「この時間帯であれば、すいているに違いない」と狙い澄まして来たのだが、私の目論見は、見事なまでに外れたわけだ。


行列の一員となる前にとりあえず、入店待ちのお客を数えてみる。


9人は居るぞ!


してみると、席に着けるのは1時間前後と言ったところであろうか。


「とにもかくにも並ぶべし!」と、行列の最後尾に付いた。


私が行列の殿(しんがり)に付いた後も、次から次へとお客がやって来て、さらに行列は長くなっていく。



待ち時間を利用して、店舗を観察してみた。


店内はソファ席とテーブル席があり、二十名以上は収容できそうだ。


また、店外にはテラス席もあり、こちらも店内と同じぐらのキャパはあるだろう。


列に並んでから40分ほど経ったころ、ひとりの店員さんが私の傍らまで来て、こう尋ねた。


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すみません!ただ今、店内が混み合っておりまして……少し寒いとは思いますが、テラス席の方であれば、直ぐにでもご案内できますが……。

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と。


一刻でも早く生クリームにありつきたい私は、テラス席で食べることにした。


注文の品は、「濃厚生クリームのシフォンケーキ」とアイスコーヒー。


注文をして5分と経たないうちに、すべての品が私の席へと運ばれてきた。


なんじゃ、この生クリーム!

半端じゃないわ!!


コッテリと盛られた生クリームで、ほとんどシフォンケーキの姿が見えなくなっているではないか!


生クリームのメガ盛りである。


いや、そんな手垢のついた言葉では、この生クリームの圧倒的な量感をお伝え出来ない。


それに“メガ盛り”だなんて、すき家の牛丼じゃあるまいし……。


やはりこんな時は、しょこたん風に言うのがよろしかろう。


“生クリームのギザ盛り”とか……

“生クリームのギガント盛り”とか……

“生クリームのギガンティック盛り”とか……。


イヤイヤ、もういっそのこと、しょこたん語における「スゴい」の最上級を使って、“生クリームのビッグバン盛り”と言うべきであろう。



通常は、生地を味わうために生クリームを添えるのだが、このお店はそうではない。


生クリームを味わうために、本来主役であるべきシフォンケーキを、添え物扱いにしているのである。


ここモーモーカフェにおいてシフォンケーキは、もはや生クリームの引き立て役でしかない。


フレンチのメニュー風に言うのであればこうなろう。


「北海道浦幌産濃厚生クリームに、ふわふわのシフォンケーキを添えて」と。


では、実食!


生クリームを匙ですくって口に含んでみると、「おや?これってソフトクリームなのか?」、と一瞬勘違いしてしまうほど粘りけがある。


北海道は浦幌(うらほろ)産の牛乳のみで作られたこだわりの生クリームは、高濃度ながら、後味はスッキリとしていてクドくはない。


いくら食べても飽きのこない、サッパリとした生クリームだ。


ケーキ皿と一緒に運ばれてきた陶器製のピッチャーには、レモンの搾り汁が少量入れられている。


先ずはそのまま生クリームを味わい、半分ぐらい食べたところで、このレモン汁をかけると味に変化がでるそうだ。


私は、「 I Love 生クリーム 」というロゴ入りのTシャツを自腹で制作したい、と考えているほどの生クリーム好きだ!


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レモン汁など、ノーサンキューじゃ!

このままストレートで平らげてやるわい!!

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と思ったのだが……レモン汁による味の変化がどのようなモノなのか、とても気になったので、やはりかけてみる事にする。


レモン汁を注いだ生クリームは、レアチーズケーキのような味わいとなった。


うん、この味もアリだな!


すっかり縁の下の力持ち的存在となっているシフォンケーキだが、こちらに付いても少し触れておきたい。



シフォンケーキは、ボリューミーな生クリームを最後まで飽きずに味わってもらえるよう、フワフワの軽い食感に仕上がっている。



スイーツの世界では、長らく脇役の地位に甘んじてきた苦労人の生クリーム。


この度、初めて主役の座を射止めた生クリームが、スイーツ皿という舞台の上で、一世一代の名演技を披露する!



こやつ、凄味のある芝居で完全に主演俳優を喰ってしまう、松重豊のような生クリームであった……。



ご馳走さま!
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