さつまいものグラタン
40代後半  愛知県
2018/11/08 21:10
さつまいものグラタン
そのパティスリーは、外観がモダンなホテルと中華料理店の間に建つ、ノッポなビルの1階にあった。


一見するとそこは、高級宝飾店あるいは小洒落た美容室にも見える。


「ピエールプレシュウズ 伏見店」というのが、そのパティスリーの名だ。


本店は長久手市に、2号店は覚王山にあり、ここ伏見は3号店として今年の8月下旬にオープンした。


これら3店舗のオーナーパティシエを務めるのが、寺島直哉シェフだ。


寺島シェフは、パリにある料理菓子の専門学校「コルドンブルー」で約3年ほど研修し、そのコルドンブルーを首席で卒業した凄腕のパティシエである。


フランス仕込みの技術で生み出される繊細かつ華やかな洋菓子は、スイーツ愛好家たちを魅了してやまない。


今、東海エリアで最も注目を浴びているパティシエの一人が、この寺島直哉シェフである。



ちなみに店名のピエールプレシュウズとは、フランス語で「宝石」を意味する。


“ピエール”は、フランス語圏で男性の名前として使用されているが、「石」という意味もある。


“ プレシュウズ ”は、「価値のある」とか「貴重な」という意味。


よってピエールプレシュウズは“ 貴重な石 ”=“ 宝石 ”となるワケだ。



こういう高級感の漂うお店は、お一人様ではなかなか入店しづらい。


そこで今回は、お供をしてくれる女性を掲示板で募集。


書き込みを見てメールをくれた、20代の女性A子さん(仮名)と一緒に訪問することにした。


入店したのは、お昼の12時頃であったがすでに先客が10人ほど居る。


店内へ入ると真正面に、ケーキを陳列したショーケスが見える。


このケーキ用のショーケス、パッと見は高価な宝飾品が並んでいそうな、ジュエリー用ショーケスに見えてしまう。


そこには店名に似つかわしい“宝石”のようなケーキがずらりと並んでいた。


ケーキ用ショーケスの横手には、通路を挟んで焼菓子のコーナーが設置されている。


ケーキのショーケスと焼菓子のコーナーを過ぎると、カフェエリアとなる。


ピエールプレシュウズは、間口が狭く奥に長い、鰻の寝床のようなお店だ。


1時間ほど経ったところで、席へと案内された。


「おっ!テーブルが大理石で出来ているやないか!!」


この大理石の中に、アンモナイトの化石が紛れていないか、思わず探してしまう私……。


早速、メニュー表を見てスイーツを注文する私とA子さん。


まずは、店内限定のスイーツを一つずつ注文する。


私は「さつまいものグラタン」、A子さんは「ガトー・ジャポネ」というオープンショートケーキをたのんだ。


コレだけではちょっと物足りないと感じたので、例のショーケスにあるケーキを一つずつ選んで食べることにした。


私は「アンジュ」というムースを、A子さんは「サンマルク」というケーキを注文する。


先に、A子さんの「ガトー・ジャポネ」が運ばれてきた。


期間限定のイチゴ味の生クリームが、賽の目状にカットされたスポンジにタップリと乗っている。


トッピングは、キャラメル味のアイス。


スポンジは、もう見るからにしっとりとしてフワフワとしている。


「隣の家の芝生は青く見える」と言うが……。


人様のスイーツは、ことのほか美味しそうに見えてしまうものだ。


私は、「一口ちょうだい派」ではないが、こんな旨そうなショートケーキを目にすると、「一切れちょうだい」と言ってしまいそうになる。


女の子同士なら、スイーツのシェアもアリだが、オヤジとのシェアはとても迷惑であろう。


彼女のお皿に手を伸ばそうものなら、A子さんの右手にあるフォークで、目を突かれるに違いない!


ここはグッと堪えて、自分のスイーツが来るのを待とう。


というワケで、A子さんが食したスイーツに関しては、味をお伝えすることが出来ない。


よって、私が口にしたスイーツのみを記述する。


では、実食!



● さつまいものグラタン ●

国産のさつまいもを使った熱々のスイートポテトである。

表面はキャラメリゼされており、上にはキャラメル味のアイスとミントの葉が乗っている。

コレはもう、予想の範囲内の味わいだ。

サツマイモは、いつだって甘党の期待を裏切ることは無い!

また、このキャラメルアイスがやたらとウマいのだ。

ピエールプレシュウズ流のちょっとお洒落なスイートポテトであった。


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● アンジュ ●

ノルマンディー産のフレッシュチーズを使用したレアチーズケーキのようなムース。


ショーケスの中にあったケーキを注文すると、添付した画像のように、わざわざお皿に移しかえて、カスタードソースとカットフルーツでデコレートしてくれるのだ。


ムースの上には生クリームが乗り、その生クリームの頂上には、ブルーベリーと木苺と……うん?何かヘンな物体が刺さっているぞ!


その変な物体を生クリームから引き抜いてみる。


するとそれは、甘酸っぱい木苺のソースが詰まったスポイドであった!


おいおい、理科の実験じゃないんだから……「先生!アルコールランプも用意しますか?」って、思わず言いたくなるわ!


それでは、スポイドの中身を注入して食べてみよう。


ムースは、フレッシュチーズのコクを堪能できる味わいになっているが、決してクドくはない。


木苺ソースの程よい酸味が、いいアクセントになっており、サッパリとしたムースに仕上がっている。



寺島シェフ、ご馳走さまでした。


そして、おっちゃんと一緒にスイーツをつついてくれたA子さん、有り難う!!
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