豚汁めし&トンテキ
皆さんにも一つぐらいはありませんか?
一度は食べてみたいアノお店のアノ料理というものが。
今回は私の、「一度は食べてみたかったアノ店のアノ料理」をご紹介します。
そのお店とは、豊橋の駅前大通にある「やまに食堂」という定食屋。
以前からとても気になっていました、この定食屋の看板が……。
店舗の正面上部に取り付けられた壁面看板には、「名代 とん汁めし」と書かれています。
説明は不要だとは思いますが、名代(なだい)とは、「有名」とか「評判の高い」という意味。
してみると、看板に書かれている「とん汁めし」は、文字通りこのお店の看板メニューという事になる。
とんかつ屋でもないのに、店のイチオシが【豚汁】だなんて……かなり興味をそそられませんか?
はい、私は大変興味をひかれました!
休日に、このお店の前を何度も通ることはあったのですが、残念なことにこの定食屋さんの定休日が日曜日のため、なかなか「豚汁」にありつくことが出来ませんでした。
ところが先日、一日だけ平日にお休みを貰えたので、この機会を逸してなるものかと、早速「やまに食堂」へと向かいました。
やまに食堂は、二間ほどの狭い間口なのですが、中へ入ってみると、存外奥行きの長い、鰻の寝床のような店内です。
外観は年季の入った日本家屋ですが、内部は整理整頓及び清掃が行き届いており、とても小綺麗な印象を受けました。
入り口付近のテーブル席に腰を下ろした私は、壁にズラリと掛けられたメニュー札へ視線を移します。
ありました、ありました、「豚汁めし 五五〇」と記されたメニュー札が……。
なんせ食い意地が張っているので、豚汁めしだけでは物足りないと思い、単品でトンテキも注文してみました。
またまた余計な説明をしますが、「トンテキ」とは、豚肉のステーキのことです。
ちなみに個人的な好みで言うと、「すき家」の豚汁はかなり旨いと思います。
合わせ味噌を使用した甘みのある汁で中の具も、ささがきゴボウ・人参・大根・里芋・ネギ・豚コマ、と盛り沢山。
さあ、やまに食堂さんは、どんな豚汁を食べさせてくれるのか、とても楽しみです。
10分ほどすると、先ずは単品で注文したトンテキがやって来ました。
続いて、豚汁・漬け物・ご飯、この三つがセットになった「豚汁めし」もテーブルへと運ばれてきます。
料理をすべて運び終えた女将さんが、私に向かい「マヨネーズ要りますか?」と聞く。
なるほど、トンテキのお皿に目をやると、付け合わせの生野菜にはドレッシングのようなものは、一切かかっていない。
私は、「そうですね、マヨネーズ下さい」と、女将さんにお願いをする。
一旦、厨房へと姿を消した女将さんが、しばらくして私の席にやって来た。
「バン!」という少々派手な音と共にテーブルへ置かれたのは、中身のいっぱい詰まったマヨネーズ入りの特大チューブであった。
「いやいや女将さん、家の中で食事してるんじゃないんだから」とツッコミを入れたくなったが……まあ、定食屋だからしょうがないか……。
洒落乙なカフェでランチを食べているわけではないので、適量のマヨネーズが乗った小皿を要求するのは、ちと無理な話である。
では、お目当ての豚汁から頂いてみましょう。
こちらの豚汁は、赤味噌を使用。
中ぐらいの丼になみなみと盛られた豚汁の具材は、賽の目にカットされた豆腐、ネギ、豚コマの三種類。
いたってシンプルな具材ですが、特筆すべきは、豚コマの量。
これでもかと言うぐらい、どっさりと入っています。
赤味噌を使った汁は、甘みは一切なく少し塩気の強い味。
平たく言えば、豆腐とネギの味噌汁の中に大量の豚コマを入れてみました、と言う感じです。
私好みの甘みのある豚汁ではありませんが、ご飯のおかずにはもってこいの、癖になる味わいです。
次は、トンテキを頂戴しましょう。
醤油ベースの甘辛いタレに絡んだ豚肉のステーキが、艶を帯びてテラテラと輝いています。
トンテキの付け合わせは、千切りにしたキャベツと人参、レタス、トマト、キュウリ、そしてマヨネーズで和えたマカロニサラダ。
豚肉自体は、それほど厚みもなく小ぶりなのですが、柔らかくてモチモチとしており、自家製の甘辛ダレとの相性は抜群です!
名代の豚汁を味わいたい方、そして女将さんの「マヨネーズ、ドーン!」を体感したい方は、是非とも「やまに食堂」さんへお越しください。
美味しい豚汁とトンテキ、ご馳走さまでした!