金桜(きんざくら)の膳
40代後半  愛知県
2021/01/02 19:00
金桜(きんざくら)の膳
豊橋市の大岩町にある「 三遠そば処 雪齋 」にて、お昼の御膳を頂いてきました。


ここ雪齋(せっさい)は、普通の一軒家を店舗に改築したようなお蕎麦屋さん。


お店をぐるりと囲むブロック塀は、一般の民家を思わせます。


では、お店の中へ入ってみましょう。


店内には、2人掛けのテーブル席が2つと4人掛けのテーブル席が1つ、そして6人が掛けられる長いカウンター席が1つあります。


目の前がガラス張りになっているカウンター席からは、素敵なお庭を眺めることができます。


枝振り見事な松、燈籠、手水鉢、所々に配された巨岩、庭の一面を覆う苔、石橋(しゃっきょう)、色の異なった玉砂利。


ガラス窓を通して見る庭は、なかなか本格的な日本庭園でした。


この庭を眺めながらお蕎麦を食べてみたいと思い、カウンター席の隅に腰を下ろします。


メニュー表を見ると、お昼の御膳は二種類ありました。


金桜(きんざくら)の膳と金鳩(きんばと)の膳。


この日は、ちょっと奮発をして値段の高い、金桜の膳を注文することにしました。


熱いほうじ茶をすすりながら庭を眺めていると、60歳前後のご婦人が2名やって来ました。


還暦前後の方を、【アラ還】なんて言うようですが、もっと他にいい呼び名はないんでしょうか?


昔の時代劇スター、嵐寛寿郎 (あらし かんじゅうろう)さんも、略してアラカンなんて言われていましたが……。


ちなみに、脚本家の宮藤官九郎さんは略してクドカンです……って、全然関係の無い話ですが……。


アラ還2人と店員さんの会話が、私の背後から聞こえてきます。

ーーーーーーーーーーーーーー

「お兄ちゃん、私、金桜の膳にするわ」


「じゃ、私も同じヤツにして」


「すみません。金桜の膳は、今ちょうど終わってしまいまして……」


「え~っ、残念だなぁ……何とかならんよね?」


「ごめんなさい、もう金鳩の膳しかございませんので、こちらの方ならお二人分ご用意できますが……」


「しょうがないなぁ……じゃ、それ二つください」

ーーーーーーーーーーーーーー


「何とかならんよね?」って言われてもどうにもならないし、それに「しょうがないなぁ……じゃ、それ二つ」って、お店の人に対して失礼やろう!


そんな事を思いつつも、私の背中に冷たい汗が流れる。


金桜の膳の残り一つは、私の分だったのね……。


少々気まずい思いをしているところへ、店員さんがお膳を運んで来た。


「お待たせしました、金桜の膳です!」


すかさず、背後からアラ還の声が聞こえてくる。


「あらっ!あの人よ、金桜の膳をたのんだの……」


何でこんなアウェー感が漂うなかで、食事をしないとイケないんでしょうか?


敵地に赴いてサッカーをする、日本代表選手の気持ちが、今ようやく分かったような気がします。


さて、食事に集中しましょう!


金桜の膳のラインナップは以下の通り。


●かにカマの卵とじが乗った温かいお蕎麦

●海老・舞茸・ジャガイモ・カボチャ・紫芋・シシトウからなる天ぷらの盛り合わせ

●イクラとサーモンのご飯

●キュウリと白菜の漬け物


まずは、お蕎麦からいってみましょう。


だし汁は薄味ながら上品な味わいで、コシのある手打ち蕎麦とよくマッチしています。


岩塩とソバのつけ汁で頂く揚げたての天ぷらは、衣がサクサクとして、とても歯ごたえが良い。


ほんのり甘い醤油ベースのタレがかかったご飯の上には、厚めに切られたサーモンとイクラが、山のように盛られています。


お蕎麦と天ぷらも旨かったのですが、私的にはこのイクラとサーモンのご飯が一番美味しいのではないかと思います。


ご膳を食べ終える頃を見計らって店員さんが、蕎麦湯と蕎麦つゆを運んできてくれました。


もう至れり尽くせりですね!


料理はもちろんのこと、それぞれの食器も凝っており、センスの良さを感じます。


大満足のランチ、ご馳走さまでした!
コメントする

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…