PANEL CAFE 抹茶大福パンケーキ
名鉄刈谷駅近くのアルバックスタワーの2Fに、「PANEL CAFE」という人気のカフェがある。
ランチで利用する際には、ハンバーガーやフライドチキンなどの軽食もあるのだが、何といってもココは、ふわしゅわ食感のパンケーキが名高い。
お昼時を避け、14時少し過ぎにお邪魔してみた。
まるで店内は、こんなオッサンなど断固として拒絶するかの如くオシャンな造りである。
膝頭の震えを悟られぬよう、堂々と店内へ足を踏み入れると、すかさず女性店員が私の元へやって来た。
「ご予約のお客様でしょうか?」と店員が尋ねてくる。
「いや、予約はしてないですが……」と答える私。
すると、「では少々お待ちくださいませ」と言い残し、ホールスタッフのチーフとおぼしき女性へと駆け寄っていった。
予約なしのお客を迎え入れて良いものかどうかを、協議しているようだ。
【おいおい、予約無しを口実に入店拒否か……】と、心中穏やかではない私。
「お待たせしました。どうぞコチらへ」と、4人掛けのテーブル席へ案内される。
どうやら無事に、入店許可を得られたようだ。
私の着いた席の横には、シャネルの五番の香水瓶を描いた、写実的ではない油絵が飾られている。
テーブル自体も大理石で出来ているし、周りのお客も若い女性ばかりだし、なんとも落ち着かない。
メニュー表を見ると、ワッフルやティラミスなどもあったのだが、やはりここイチ推しのパンケーキをたのむ事にした。
抹茶が好きなので、パンケーキの天辺に求肥を被せた「抹茶大福パンケーキ」を注文。
パンケーキの上に、あずきを乗せるかカスタードを乗せるか、お好みで選べる。
抹茶・求肥とくるので、あずきをチョイスすると、和菓子色が強くなってしまう。
よって、カスタードを選択する。
スフレ系パンケーキの宿命として、出来上がりに20分ほど掛かるそうだが、そんな事はむろん承知の上だ。
店員に対し、異議申し立てなどするつもりは毛頭ない。
待つこと20分、ようやくパンケーキが運ばれてきた。
白い丸皿には、二段重ねになったパンケーキと、ココットに盛られたソフトクリームが乗っていた。
二段のパンケーキは、その一つ一つがとてもふくよかで、求肥で出来た帽子を頭から被っている。
求肥の帽子は、白い粉砂糖と緑の抹茶によって、二色に塗り分けられている。
ちなみに抹茶は、宇治茶を扱う京都の老舗「祇園辻利」のものだ。
では、実食。
スイーツは、食べる人の目を楽しませるために美しくデコレートされるのだが、こうしてナイフやフォークを入れてしまうと、もはやその美は失われてしまう。
スイーツとは、とても儚い一瞬の芸術である。
切り分けるために、パンケーキへナイフを入れるとそのナイフから手へ、ふるふると振動が伝わってくるのだ!
『ふわしゅわのパンケーキ』とは言いえて妙である。
まるでパンケーキが、ジャズでも聴いてスウィングをしているようだ。
舌触りの滑らかな求肥と口溶けのよいカスタードと共に、パンケーキを頬張ると瞬く間に口中で溶けていくではないか!
口の中で混ざり合う、粉砂糖のほのかな甘みと、抹茶のほろ苦さが絶妙な味わいを醸し出す。
ココットのソフトクリームも甘さ控えめで、パンケーキを食べたあとでも、しつこさを感じさせない。
このパンケーキ、今まで食べた中で一二を争う旨さである。
ココのパンケーキは、絶対におすすめ。
美味しいパンケーキ、ご馳走さまでした!