今さらながら山岡家 醤油ネギチャーシュー麺ほか
「山岡家は臭い」と、ラーメン好きの知人から聞いていたので、これまで山岡家へ行くのは避けていたのだ。
その知人は、こうも言う。
「山岡家のラーメンって、中毒性があるっていうのかなあ、なんか無性に食べたくなる時があるんだよね」と。
なにせラーメン業界では、超が付くほど有名な山岡家である。
無類のラーメン好きだと公言する以上、やはり一度ぐらいは山岡家のラーメンを口にしなければなるまい。
そんな使命感に駆られて、国道1号線沿いにある「山岡家 豊橋下地店」へ向かった。
しかし、店内へ入った途端に後悔した。
店の中に漂う不快な臭いに、早くも心が折れそうになる。
「アレっ!?財布、財布……」と、ズボンやアウターのポケットをまさぐり、いかにも車中に財布を置き忘れてきたような三文芝居を演じて店外へ逃れようと、一瞬だけ考えた。
そのまま車で逃走しても、食い逃げではなく食う前逃げなので、法的には何ら問題はないはずだ。
だが、ここで立ち去ってしまうと、もう二度と山岡家へは来ないような気がする。
入り口付近にある券売機の前で1分ほど迷ったが、覚悟を決めて食券を購入することにした。
注文した料理は以下の二つ。
●醤油ネギチャーシュー麺(\1,050)
●ネギマヨチャーシュー丼(\340)
いずれも税込価格である。
カウンター席に座り、目の前の台上へ2枚の食券を置く。
すると、食券を回収にきた店員さんから、「お好みございますか?」 と聞かれる。
「えっ?お好みですか……?なんの事でしょうか?」
こちらが山岡家の初心者であることをすぐさま察知した店員さんが、丁寧に説明してくれる。
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麺の硬さ・油(ラード)の多さ・スープの味の濃さ、 この三つをお客さまのお好
みにすることが可能なんです。
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つまり自分好みにラーメンを、カスタマイズ出来るようだ。
初入店で勝手が分からないため、麺の硬さも油の量もスープの濃さも、すべて普通にした。
さて食券を購入した際【サービス券】なるものが、一枚発券されたのだが……。
後で調べてみると、ラーメンを一回注文するとサービス券が一枚発行されるようだ。
このサービス券を貯めておくと、その枚数によって、次のような特典が得られる。
●サービス券5枚で、特製餃子一皿。
●サービス券10枚で、ラーメン一杯。
●サービス券13枚で、「プレミアム塩とんこつラーメン一杯」or「期間限定ラーメン一杯」or「つけ麺一杯」。
店内に充満するその悪臭に、もう初回からメンタルをやられている私にとって、特製餃子一皿でさえゲットするのは難しそうだ。
そもそも、この忌まわしい臭いは何なのかだが……。
山岡家は、食品提供先の料理を一手に引き受けるセントラルキッチンを所有していない。
従って、各店舗でスープやチャーシューなどを作ることになる。
特にラーメンのスープは、豚骨と水だけで4日間かけて煮込むそうだ。
つまり、このじっくりコトコト煮込んだ豚骨スープがイヤな臭いの元となっている。
こんな酷い臭いは、店員か山岡家のヘビーユーザーしか耐えられないであろう。
サービス券の特典について一つだけ書き足しておくと、S券50枚で山岡家のオリジナルTシャツが貰えるそうだ。
Tシャツ一枚のために、山岡家へ50回も通わないといけないなんて、現時点での私にはとても無理な話である。
この際だ、全国の山岡家ファンたちの手でオリジナルTシャツを作ってみてはどうだろうか?
ついでに、山岡家のファンネームも考えてみたい。
米津玄師のファンネームは『米民(よねたみ)』で、サカナクションのファンネームは『魚民(うおたみ)』である。
これらに倣って『臭民(くさたみ)』というのはどうだろう。
あるいは、ファッションセンターしまむらの服を好んで着用する人たちをシマラーと言うので、『ヤマラー』という呼称も悪くはない。
また、山岡家のラーメンは中毒性があるという事なので、『おな中(同じ中学)』と語感が似るように『岡中(山岡家中毒)』としても良いだろう。
オリジナルTシャツの正面には、ファンネームをプリントしてみたい。
●We are 臭民
●We are ヤマラー
●We are 岡中
Tシャツの背面には、山岡家を的確に表現した文言を入れてみよう。
●牛丼の吉野家のキャッチコピー「うまい、安い、早い」をもじって……
『 ウマい、クドい、クサい 』
●相田みつを風に……
『 臭くたっていいじゃない 山岡家だもの 』
●オタク風に……
『 オレたちの山岡家 』
●ネットスラングを使って……
『 臭くて 草 』
その他諸々。
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それでは、ラーメンとサイドメニューを実食。
■醤油ネギチャーシュー麺
まずラーメンの具材は、ホウレン草に白髪ネギ、チャーシュー5枚と海苔3枚である。
とても濃厚でトロみのある豚骨スープが、山岡家特製の極太ストレート麺によく絡んでおり、食べ進んでいくうちに癖になる味わい。
また、厚めにカットされた5枚のチャーシューも食べ応えがあり、店内の臭いさえ気にならなければ、十分に美味しいラーメンであると思う。
■ネギマヨチャーシュー丼
白飯の上には、細かく刻まれたチャーシューとみじん切りのネギが乗っている。
丼のタレは甘じょっぱく胡椒もきいており、スパイシーな味わいだ。
みじんにされた新鮮なネギにマヨネーズがよく合い、手の込んでいない簡易な丼ながら、ラーメンのお供には大変よい。
もう本当に臭かったけど、ラーメン&サイドメニューは美味しかったです!
ご馳走さまでした。