三題噺
40代後半  愛知県
2013/02/10 7:53
三題噺
メニコン、暑い南米、ドン・キホーテ。

この3つのお題で、三題噺を作ってみました。

この話は、あくまでも架空の話で、実在の団体・人物とは、何の関係もございませんので、お間違えなきよう。

実は、このサイトでメール交換をしている女性から、コレらのお題を出されたので、三題噺にしてみました。

私は、その女性ひとりに向けて、この日記を書いております。

では、始めましょう。


名古屋にございます、コンタクトレンズの大手企業メニコンが、南米に進出することになりました。

メニコンの会長の気まぐれで、「南米一暑い国を、ターゲットにしよう!」って事になりまして、チリに白羽の矢が立ったのでございます。

話は突然変わりますが、アイスコーヒーを飲む習慣は日本だけでは無いそうで……中東などの気温の高い国々でも、アイスコーヒーを飲むようですなぁ……南米では、チリが、年中アイスコーヒーを飲む習慣があるようでございます。まぁ、それだけチリと言う国は、暑いんでげす。

さて、チリでの市場開拓には、誰が適任者であろうかと、社内で侃々諤々あったのち、営業成績トップの帆黒さんの名が挙がりました。

この帆黒さん、どんな事にも尻込みせず、果敢にチャレンジすると言う、正にかのドン・キホーテを思わせるような人物でございます。

この並みハズれたチャレンジ精神で、多くの新規開拓に成功してきた、腕こきの営業マンである、帆黒さん。

彼ならば、きっと我が社の製品を、チリに定着させてくれるであろう!

会長の鶴の一声で、帆黒さんを、チリへと派遣する事が決まりました。

ところが、ここに一つ問題がございました。

それと言うのも、帆黒さん、暑さは大の苦手で、夏季の外回りでは、何度となく、意識を失って、病院に搬送されております。

そんな人が、南米一暑い国へ行ったら、命の保証はございません!

専務は、思い直すよう、会長を懸命に説得致します。

専務「会長、帆黒君では、チリでの市場開拓はムリです!彼にとって暑さは、難敵でございます。その証拠に、毎年夏になると、熱中症で幾度となく、病院送りになっています!市場開拓どころじゃありませんよっ!帆黒君の命に関わりますっ!どうか、御再考を願います!」

専務は、必死になって、会長を説き伏せようとしますが、頑として会長は、自説を曲げません。

頭にきた専務は、会長に向かい、こう言いました。

専務「会長!アナタは、帆黒君を殺す気ですかっ!」

会長は呵々大笑して、専務にこう言います。

会長「キミ、企業戦士が、戦場とも言うべきチリで、命を失うという事はだなぁ、コレは名誉の戦死ってもんだよ!帆黒君も、仕事で落命するのであれば、本望だろうよ……」

専務「会長、あんたは、なんてヒドい事を言うんだっ!」

会長「まあまあ、待ちたまえ、キミ。我が社は、何の会社だ?」

専務「な、な、何の会社だって……ウチは、コンタクトレンズの会社ですよ……」

会長「そうだろ、キミ。だったら、帆黒が死んでも一向に構わんよっ!帆黒君の代わりは、いくらでもいる。帆黒君が死んだら、次の営業マンを。これが死んだら、またまた次の営業マンを、チリに送り込めばいい」

専務「は~っ……!?」

会長「だって、そうじゃないか、キミ。ウチは、コンタクトレンズの会社だよ。社員は、みんな使い捨てだ!」


お後がよろしいようで……。

コメントする

…━…━…━…

無料会員登録はコチラ

…━…━…━…