ミルクソースのパンケーキ
名古屋・栄の「ラシック」地下1階に、【 J.S. PANCAKE CAFE】というパンケーキ専門のカフェがある。
先月の1日からこのカフェでは、ハワイ島各地のローカルな食材を使用した料理を提供する、【ハワイアンホリデー】と銘打った夏のフェアが実施されている。
人気のあるお店なのであろう、日曜日のお昼少し過ぎにここへ訪れたが、ほぼ満席の状態であった。
カウンター席についた私は、ハワイ産のミルキーなマカダミアナッツをふんだんに使った、【マカダミアナッツクリームソースパンケーキ キャラメルソース付き】を注文する。
十数分ほど経った頃、濃厚な自家製ミルクソースのたっぷりとかかった白い丸皿が、私の眼前へと運ばれてきた。
惜しみなくお皿へと注がれたミルクソースのあちこちには、砕いたマカダミアナッツが散りばめられている。
ミルクソースの大盤振る舞いで、主役とも言うべき二枚のパンケーキの姿が見えぬ!
まるでミルクソースが、その圧倒的なボリュームをもってして、このお皿の領有権を主張しているかのようだ!
皿一面を覆う、ドロリとしたミルクソースをなんと形容するべきか?
それはあたかも、「キラウエア火山の噴火口から地表へと流れ出たマグマのようだ」と喩(たと)えてもよかろう。
白いマグマに覆われたパンケーキ山の頂上には、輪切りのバナナが三つとミントの葉っぱが乗っかっている。
食べる前から「これは絶対ウマいに違いない」と、目にしただけで分かる食べ物がある。
それがこのパンケーキであり、まことに申し分のないビジュアルだ!
さてこのパンケーキ、端的に申さばミルクソースが主役のスイーツである!
ならば、食べ方にも流儀や作法があろう。
ラーメンを食べる際、その命とも言うべきスープから真っ先に頂くように、まずはミルクソースを匙ですくい、口中へと運ぶ。
そのミルクソースは、とてもコクのあるモノだが、甘さは程よく、くどさを感じさせない、至極美味なソースである!
例えば、このソースをペットボトルに詰めて、【新感覚スイーツ飲料 J.S.自家製ミルクソース マカダミアナッツ入り】と名付けて、売り出してみてはどうだろうか?
この妙なるソースだけでも十分にウマいが、ここに少し苦みのあるキャラメルソースをかけると、更に味わいに深みが増すのだ!
二枚のパンケーキに、たっぷりとミルクソースを染み込ませて頂いたが、なおも余るこのソース。
当然のことながらスプーンですくい、残らずミルクソースを平らげる!
是非もう一度食べてみたいと思う、逸品であった。